読物

□ちりちり
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「!聞いてんのか?!この唐変木!」
その上突っ伏したままピクリともしないサスケに、サクラが追い撃ちをかけようとするから、キバはもう縋って止めるしか無い。
「サクラ〜っ、これ以上殴ったら、死んじゃうから。既に生きてるかどうか怪しいのにっ!」
任務も順調に終了したというのに、何故仲間同士の修羅場を見なくてはならぬと言うのか。
けれどもキバのそんな気持ちは、サクラの怒声に蹴り飛ばされた。
「軟弱!そんなんであんた六代目を護れるの!?」
シャーンナロー。
内なるサクラも大全開甚だしい。
その剣幕に、憐れサスケの命運もここで尽きるかと、キバも諦めが入ったのだが、そこでやっと気を失っていたサスケがムクリと起き上がる。反撃に出るかと、サクラが身構え、キバは避難した。
しかし。
「…六代目…。」
サスケはそれだけ呟くと、彼らを振り返りもせずに駆け出す。
何だと言うのか。
彼の行動の突飛さに、サクラやキバが呆気に取られるなか、サスケは既に遥か彼方だ。
「里へ向かった様だな。」食後のお茶で口をそそぐシノがボソリと呟いて。
「食事代置いてけー!」
我に返ったサクラが怒鳴ったが、多分サスケの耳には届かなかったろうと、キバは思った。
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