読物

□救いなく過ぎる日々
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 日向ハナビを妻に娶り四年。
サスケとナルトはそれまで通り、親友として接して来た。
里の中枢側から見れば、九尾の人柱力とその監視役である二人は、サスケの結婚後も変わらずに大方の任務で一緒に行動させられたが、今回は里の依頼状況が厳しく、別件に当たっていたのだった。
共に里の上忍の中でもSクラスの実力者だけに、上も効率を重視せずにはいられなかったのだろうと理解している。
ナルトに監視を付ける事自体、警戒のしすぎだとサスケが考えていただけに、別行動をとる事への不満はまるで持たなかった。
それが今は悔やまれる。
サイと他の二人が見付かったポイントに辿り着いたサスケは、現地で待っていた日向ヒナタと合流した。
「サスケ君…。」
焦燥しきった白眼は、真っ赤に充血している。
それが、必死に彼女がナルトを捜している証だった。
そして同時にそれは、ナルトがこの周辺にはいないと言う事実を物語る。
彼女は今や、日向の中でも屈指の術者だ。
そのヒナタが力を尽くして捜しても見付からないならば、ナルトが、若しくはその遺体が、既にこの辺りには居ないと考えた方が正しい。ならば、サスケの仕事はその理由を考察する事だ。
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