読物

□振り返る者は常に
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ただ、この後彼女がどうするのか、それによりどういう事態に陥るのか、それに少し興味が有るだけだ。
「ちくしょっ!水月!逃げんな!」
液体となり、地中に溶けてカリンの怒声を聞きながら、水月はほくそ笑む。
このまま姿を消して、暫く様子を伺う腹ずもりだ。
二人の騒ぎに、サスケがこちらに向かって来て居る事だし。
傍観者を決め込むのだ。
「騒がしいぞ。カリン。」
「!…サスケ!」
一人熱くなっていた彼女は、背後から声をかけられるまで、彼に気付か無かったようだ。
探索型の能力が聞いて呆れる。
「水月はどうした?」
「うっ…うるせー!お前には関係ねーだろう!ホモ野郎!」
そうくるか。
液化している為、抱える腹がない事を水月は悔やんだ。
元から仏頂面のサスケの眉ねが不機嫌に歪んだ。
「…って!水月が言ったんだ!水月が!大蛇丸様とお前がそういう関係だったって!」
慌てたカリンが弁解する。
言ってねーよ。
空かさず水月は叫んだが、今は声を発する口が無い。不快オーラをビンビン醸すサスケが怖い。
しかも、水月が身を潜める辺りを写輪眼で的確に睨み付けて来るから身も凍る。「お…俺はそんな事言ってないよ!」
堪らず水月は上半身を実体化した。
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