短編

□18歳初めての恋
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(さて、どうしやしょう)
スーパーの前で
俺は悩んでいた。
あいつともっと喋りたいが、あまり会いすぎると不信に思われる。
恋とはこんなに
難しいものなのか、と思った。女なら何回か抱いたことはあったがそれは恋愛感情がなかった。それにあいつは女じゃなくれっきとした男だ。だからどんなふうに扱えばいいかわからないこともたびたびあった。意識し始めてから友達と恋人の境界線がわからなくなっていた。


そんなことを考えていると

「あれっ?沖田さん?」
ほらやっぱり会った。愛しいあいつの声が聞こえた。

「ああ。新一君。」

わざと名前を間違えてみる。

「新八です。このごろよく会いますね。」


ニコッと俺に笑いかけてきた。くそっ、やっぱりかわいい。
名前なんて知ってるよ。

「そうですねぃ。まあ俺この時間帯はここ巡回の担当なんでさぁ、しかたないんでぃ。」

嘘、巡回なんて真面目にやる俺じゃない。

「へぇー、そうなんですか。僕もこの時間はお買い物してるときが多いですし。」

知ってる、知ってるからここまでお前に会いに来てる。


「そうなんですかぃ?だから会う事が多いわけなんですねぃ。」

「そうですね。」

ニコッとまた君が
笑った。





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