短編

□貴方の愛情表情
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ボコッ、鈍い音が部屋全体に響いている。

もうこの音は30分くらい前からずっとなっているだろう。

土方さんはこの頃些細な事で僕を殴るようになった。けど殴る理由は仕事でむしゃくしゃしていた、なんかじゃなく全て僕が銀さんと触れ合っていたや、知らない男と喋っていたとかだ。


ようするにこれは、彼の嫉妬だ。少し行き過ぎた。

「新八、お前また知らない男と喋ってただろ。」

「違いますっ。あれは道を聞かれただけで…!」

ボコッ、鈍い音がまた一つなった。

「新八、お前は俺のだ。俺だけと話していればいいんだ。お前が違う奴と喋っているのを見るとまたお前を殴っちまう。」

「ごめんなさい。もう土方さん以外の人とは話しません。」

ボコッ。また一つ鈍い音が響いた。次は腹を殴られたせいか、激しい嘔吐感が口まで迫って来た。

「嘘つくんじゃねぇ。お前、前もそんなこと言ってたじゃねぇーか。」

「ゲホツ、ゲホツす、いませ、ん」

土方さんは、ある日突然顔を殴らなくなった。そのかわり腹や肩や服で見えないところを殴るようになった。その理由は土方さんに殴られた顔が腫れたせいで心配した銀さんが、土方さんに責めたらしい。


嗚呼、その日に殴られたのは痛かったなー。






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