novel『黒執事』vol.1短編

□『ST.Valentine's Day』
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チョコレート作りと言っても。
板チョコを細かく刻んで、湯煎にかけ、型に流し込んで冷やす。
いたく、シンプルかつ基本的で簡単なモノだったが。

僕にとっては未知なる世界で。
やる事成す事が全部目新しいし、新鮮で。

料理もなかなかに楽しい、かも?
・・・そんな考えには行き着かなかったけど。

何かを創作するって行為は、結構楽しめた気はする。

「固まったら、後で部屋までお持ちしますよ」
って、バルドが言ってくれたから、それに甘える事にした。

「絶対セバスチャンにはバレないように頼むぞ!」
「がってんしょうち!!」

その言葉を信じて。
余った板チョコの欠片(かけら)を頬張りながら、意気揚々と自室へと戻った。

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