novel『イナGO』vol.1

□『不協和音』-イナGO Ver.-
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「お前は独りじゃない・・・太陽」

-ごめん・・・こんな事になって・・・-

暴走を止めた太陽の華奢な身体は。
空中でグラリと傾き降下を始める。

と同時に、剣城の腕の中に収まった。

-皆をたくさん傷付けて・・・-

以前の瞳の色を宿して。
太陽は、剣城に向かって悲しげに微笑む。

リーダー候補として懸命に努力して。
誰よりも強く在った、太陽。

その姿を一番近くで見守り、小さい頃からずっと傍で支えて来た剣城だ。

「分かってる・・・だから、安心して眠れ」

幼子をあやす様に、優しく優しく頭を撫でて。
余った方の腕で、抱き締める力を強くする。

-それと、ありがとう・・・京介-

言葉なく頭を横に振る剣城に。
柔らかく笑みを浮かべると、太陽は涙の一筋を残して静かに瞳を閉じた。

「・・・もう少し、待っててくれ。太陽」

剣城は太陽を抱き上げると。
再び、封印の水牢へと寝かせた。


水牢を閉じる瞬間。
「またな」
と、呟きを残して。

悔しげに、泣き出しそうに顔を歪めながら。
剣城は、施錠の呪を誦えた。
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