novel『イナGO』vol.1

□『Everlasting』
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人間の寿命は。

心臓の鼓動の回数で決められている。

この世に生を受け。
母胎の中で、鼓動を刻み始めた瞬間から。

人間は、生きる制限をされ。

そして。

世界に産まれ落ちる

‡‡‡‡‡‡‡‡‡‡

「・・・って知ってた、剣城?」

普段は脳天気な天馬が。
やけに神妙な面持ちで語る。

何かと思えば。

(結構、重量級な話題だな)

何があったのかは知らないけど・・・

「知らねぇ」

そう、何時も通りに。
剣城は素っ気なく返事を返した。

(こいつでも、そんな事を考えるんだな)

悩みでもあるのだろうか?
不安でも感じてるのだろうか?

なんて。

柄にもなく。
心配で胸がざわつく。


意義とか理由とか。
定義とか価値とか。

存在する為の何かを、考えない事もない訳ではない。

悩める年代と言われている。
いわゆる青春真っ只中な自分達だ。


生と死。
真実と虚偽。

肯定と拒絶。
悲観と楽観。

絶望と希望。


拡がる自己意識の世界観に。

戸惑い、もがき、足掻いて。

それでも、必死に生きている。

これからも、きっと。
変わらない。


それが、人間の本質ではないかと。

少なからず。
心の片隅でそう悟っている。

そんな自分は。

(なんか・・・年寄り臭いな)

自分自身の思考なのに。
苛立ち紛れにムッと顔をしかめた。
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