NOVEL
□沖縄旅行〜ニールと俺と時々ティエリア。その3。
3ページ/8ページ
「そ…そうか。じゃあな、兄さん。そういや今兄さん何の仕事してんの?」
俺の口を塞ぐロックオンの手が固まる。
よし、ニール落ち着け。一番無難なの選べよ。このメンバーで予想出来そうな…
「ええええっとユニセフ!超社会貢献ッ!」
その言葉を聞いたライルの表情が曇る。
ニール、チョイスがおかしいぞ。思いっきり不審に思われているぞ。
「…ってことは、そのガキ、孤児か?」
「まあ…そんなところだな。」
「引き取るなんて全くお人よしだな、兄さんらしいや。」
ライルは乾いた笑い声をあげ、俺と目を合わせた。なんか嫌だったから睨んでやったら、先程とは違う目をしたライルがいた。
「大きくなれよ」
ライルはそう言って俺の頭をくしゃりと撫でると、別れの言葉もそこそこに、仲間の元へ帰っていった。
ライルがいなくなるなり、アレルヤが呟いた。
「これ…ギャグ小説だよね」
「空気読め空気」
ティエリアは冷たくあしらった。
◇
時刻は午後4時を過ぎたくらい。俺達は宿へ戻る準備を始めていた。
「ねえロックオン!」
「ん、何だアレルヤ?」
「これ、どうするんだい?」
これ、と言いながらアレルヤが持ち上げたのは炭水化物の塊。
ああ、あれは俺がマッシュポテトにしたあれか。
「…どうしよう。捨てたいところだが…そんなのはジャガイモの神様を冒涜するようなもんだ!俺には出来ない!」
アンタの神はどこにいる!
「まだ片付かないのか。」
「ティエリア!」
「ん、これはジャガイモの残骸だな、どれ、俺が処分しよう。」
言うなりティエリアは一切躊躇することなく、マッシュポテトを海に投げ込み始めた。