NOVEL
□沖縄旅行〜ニールと俺と時々ティエリア。その3。
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その4秒後、ニールは状態を確認したらしく、数回ぱちぱちと瞬きを繰り返し、俺を見、そしてニールAを見、それからもう一度俺を見て叫んだ。
「えーーー!!もしかしてライル?ちょ…刹那何でコイツといるんだよ!!」
「ライル…?」
俺が呟くとほぼ同時に、後ろに立っていたニールA(ライルか?)がニールを指差して、先程のニールと全く同じ口調で叫ぶ。
「兄さん…!?」
何だこの状況、同じ顔に挟まれて気持ち悪くなってきた。
「「うわああああああ」」
「同時に叫ぶな!!」
ついにはニールとライルは某絵本の虎のように、俺の周りを手を繋いで高速で回りはじめた。
そのままバターになって溶けてしまえばいいのに。
俺がそんな物騒な事を考えていると、遠くから凄い速度でふっ飛んで来る物があった。
それは全くぶれることなく双子の一方に当たり、回転を終了させた。
ニール(水着的に多分ニール)に当たって落ちたそれを指でつまみ上げる。
「バトミントンの…ラケット?」
意味がわからない。何故ラケットが飛んで来るんだ、そこ普通羽だろう!
「あっごめんよ、ちょっと力入れすぎちゃったみたいだ!」
向こうから筋肉が走ってきた。あ、アレルヤだからな。
「問題無い」
アレルヤにラケットを渡すと、アレルヤはぎょっとしたように俺の足元を見た。