アラド同人編(おひさま)

□ご主人様…大好き、です…
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ふと、時計を確認する。
3時16分。
眠れない。
「…っ……」
何故眠れないのか、私は分かっている。
身体が……ご主人様を欲しがっているのだ。
「…はぁ……ふぅ…」
身体が火照って、心が焦がれて、股間が疼く。
私がしていることは、いけないこと。幻滅されること。嫌われること。
「んっ……」
理解していても、身体は己の欲望に素直に従っていた。
「はぁ……んくっ…」
もう何回目かはわからない、触れると感じる微弱な快感。
それは痛いような、くすぐったいような。わからない。
毎日のようにしているのに。
「ぁ……ぅんっ……ふ、うっ…!」
…下着越しでは、刺激が足りない。
私は思い切って、パンツを脱いだ。
そして、再び指を入れる。
「っあ…ぁっ!!」
粘ついた感触が、指に伝わった。
暗闇に慣れた目で、己の指を確認する。
「やだ……こんな、濡れて……」
信じたくなかった。
私はこんないやらしい子じゃないと。
そう思いたかった。
だが、それは全て思い込みであった。
私は…一人で股間を弄って悦ぶ変態だったのだ。
「や…だぁ…こんなの……私じゃ、ない…」
頭で否定し続けていても、身体の疼きは鎮まらない。
そして気が付けば自慰を再開していた。最低だ。
「んっ……っくぁ…」
すぐ隣には、エレちゃんやバトメちゃんが静かに寝息を立てている。
否、狸寝入りかも知れない。もし聞かれていたら……思っていても、指は止まらない。
「ご主人様……ご主人…さまぁ…!」
指が中に入り込む。
にちゅっ…と卑猥な音が否でも耳に入る。
「―はぅっ!!」
反射的に悲鳴を上げる。
同時に、強い締め付けが私の指を圧迫する。
私の細い指じゃ足りないと怒っているようにも思えた。
痛い。苦しい。
心も身体も、辛い思いしかしないのに。
なのに、やめられない。
どうして……。
「ご主人様………す、好き…好きですっ…」
ぽとぽとと、私のアソコから溢れ出た液体が、シーツを汚す。
「んんっ……!!」
やがて身体がビクッ、と震え、絶頂を迎えた。
「はぁ……はぁ……はぁ…」
私はご主人様を愛しているが、ご主人様は、どうだろう。
私の『初めて』をもらって頂いた時も、愛してるとは仰らなかった。
明るくて話し上手なエレちゃん。いつでも元気いっぱいなバトメちゃん。
彼女らが眩しい太陽だとすれば、私は影。陰気な、影。
……そうか。
だから私、こうやって毎晩自分で自分を慰めているんだ。
「…っく……うぇ…ぇ…」
理解すると同時に、涙が零れた。
ご主人様に想いを伝えられない意気地なしの自分に。こんな行為に逃げた自分に。二人に勝てる要素が無いと完全に諦めてしまった自分に。
「ふぇぇ…ぇぇ……」
私はその晩、疲れて眠るまで、静かに泣き続けた。
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