頂き物&表紙絵など
□どろっぷ
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あいつ等は週四どころか、毎日するのが当たり前らしい。
流石に毎日する気力なんてものはオレにない。
我慢強い彼女に無理をさせるかもしれないのと、気持ちの向かないままするのは嫌だから。
気持ちよくなるなら、二人で一緒のがいい。
それが本音だけど、どこか自分を偽っているような気がした。
毎日抱けるなら、きっと抱いてる。
オレだって男だ。可愛い彼女に、劣情を抱かないわけがない。
それが少し、後ろめたい。
我ながら厄介な仕事を引き受けてしまったものだ。今更、依頼内容の書かれた紙をよく眺める。
幾ら眺めたところで、文字も依頼内容も変わらないけど。
後方支援を主とした戦闘スタイルだが、一人でも制圧は出来る。が、あまり慣れない事はしたくない。
誰かを連れていく方が早く事が済む。
何でも屋を営む彼女に、付き合う前みたいに依頼でもしようか。
最近は一緒に戦っていないし、彼女は彼女で依頼がある。
もし彼女が既に依頼を受けていたら、その時は気が進まないが同僚でも連れていこう。
***
彼氏とはいえ、彼女に依頼をするのだからオレもただの客。
結局は彼女がオレに返金するけれど、多めにお金を持ってきた。
押し付ける形になるとしても、彼女の生活の足しにしてほしい。
開けっ放しのドア。用心深い彼女にしては珍しい。
なんだか泥棒になった気分だが、無断で家に入らせてもらった。
久しぶりに来たけれど、何一つ変わらない部屋。
うろ覚えだが、彼女の寝室に向かう。
リビングに居ないなら、もしかしたら其処にいるから。
「…やっぱりな」
必要最低限の物しか置かれていない寝室に、いつだったか買ってあげたぬいぐるみを抱いて眠る彼女がいた。
キャミソール一枚に、ホットパンツ。
秋になったのに未だに暑いから、きっと丁度いいだろう。が、それで外を出歩くのはやめてほしい。
色白の肌に目立つ傷。
傷があろうとなかろうと、彼女は可愛い。そう思うのはオレだけじゃなく、同僚や友人もそう思ったらしい。
彼女は警戒心が強いわりには気を許すと、呆気なくなついてしまう。友人がなつかれ、友人に笑顔を向けた彼女に少しむっときた事があった。
どこか抜けた彼女の寝顔を眺める。
「ん…ぅ……」
寝苦しそうに顔をしかめる彼女の唇に、そっと口付ける。
触れるだけのキスを何度も繰り返し、隙間から舌を捩じ込む。思ったより、我慢が効かないみたいだった。
そのまま、彼女の艶のある黒髪を撫でながら、更に深く口付ける。
「ん…」
ぴくりと身体が動き、彼女の腕がそっと背中に回された。
流石に苦しくて起きたようだったが、まだ唇は離さない。
寝起きの彼女に、そのまま舌を絡める。
久しぶりの彼女とのキスに、少し興奮してるのがわかる。
久しぶり、と言っても一週間。それでもオレには長く感じた。
「ん、んぅ…っ!」
服をぎゅっと掴み、唇を離そうとした彼女の頭を押さえつける。
苦しそうな彼女には悪いが、まだまだ足りない。
口の端から互いの唾液が混じったものが溢れ落ち、べたべたとした感触を残す。
服を掴んでいた腕がずるりと力無く降ろされた。
もう限界だろうとふんで、唇を離す。
銀色の糸がぷつりと途切れた。
「はぁ…あ、ぅ…」
深呼吸をして、酸素を取り入れる彼女の背中を撫でる。
しばらくしたら、また背中に腕が回された。
久しぶりに触れた、体温。
「…久しぶり」
「そんなに経ってた?」
「うん…まあ、オレは長かったかな」
あたしもだよ、と見なくても声でわかる、彼女の笑顔。
ああ、ほんとに可愛い。
「…あ、あの…溜まって、るの?」
「…う、」
密着していた彼女がストレートに聞いてきた。
彼女に嘘はつきたくない。
…不本意だが、頷いた。
「…じ、実は、あたしもなの…」
恥ずかしそうに、耳元で囁かれた。
一人でしたことさえない彼女は、相当我慢していたとおもう。
「だから、その…してほしい、の…」
ぷつり、と何かが切れた音がした。
彼女をベッドに押し倒し、身体に触れる。
くすぐったそうに身を捩らせる彼女のキャミソールを脱がせると、彼女の乳首が見えた。
「あ、お風呂あがりで寝ちゃって…その…」
「…こんな格好で外に出たらダメだよ」
「うん…」
素直に頷いたのを確認し、彼女の突起に口付ける。
「あ、あぅ…んくっ…」
じゅ、じゅっと首筋に痕を残すように、少し強めに吸い上げる。
甘噛み程度の力で噛むと、彼女が更に高い声をあげた。
だんだんと硬くなるのがわかったから、口を離す。
「あの、さ…いつもみたいに、させて?」
「…いいけど、同じタイミングでやるよ?」
「…う、うん…いい、よ?」
彼女の下着を脱がせると、彼女もオレのズボンを脱がせた。最初の時みたいな恥じらいは何処へ。
奉仕は好きだし、顔の見える正常位が好きな彼女。甘えん坊で、寂しがりで。
オレの我が侭に近い頼み事も嫌がらずにやってくれる、献身的な女の子。
オレの、可愛い恋人。
「じ、じゃあ始めるね…」
「…ん」
彼女が自身の先端に舌を付けたのを確認し、オレも花びらに舌を差し込む。
くちゅくちゅと音を立てて蜜を垂らす。
「ひ、う…や、ら、そこ…」
がくん、と支える力をなくした彼女。
両手で腰を支えながら、蜜を舐めとる。
「んぅ…んん、ひぅっ!?」
くぷ…。
舌を中に挿し入れて、中をぐりぐりと押す。
喘ぐのに精一杯なのか、彼女の手も口も動きが止まっていた。
「ひ、な、なんかでちゃう…!」
構わず、舌を押し込む。
「やら、や、ああああああっ!?」
しゃああああああっ
勢いよく出た液体が、顔にかかる。
アンモニアの臭いと…少しだけした、蜜の味。
「あ、あ…ご、ごめんなさい…っ!」
「あー…まあ、寝起きだしな……」
というより、寝込みを襲うオレが悪いわけだから、彼女は悪くない。
不安そうな顔でオレの頬を拭う彼女にお構い無しに、指で秘部を擦る。
「だ…だめ、拭かないと…っ」
「…また汚れるから、後ででいいよ」
「ふ…え、っ」
人差し指と中指を彼女の中に挿れると、がくりとベッドに倒れ込んだ。
布団が汚れるし、彼女はまた恥ずかしい思いをするかもしれない。それでも、一度はさせたかった事をさせてもらおうと思う。
中に入った指二本を、ゆっくり、だんだんと早く動かす。
「んく…ぁあ、あ、は、はやぁ…っ」
指が挿し抜きを繰り返す内に、いやらしい水音が聞こえはじめる。
彼女の蜜とは違う、別のものの音。
響く水音に顔を真っ赤にして、彼女が首を横に振った。
「いや、いや…っ!」
「そんなに気持ちよさそうなのに?」
「ほ、んとにだめ…い、イっちゃ…っ!」
ぐぐ、と彼女の奥に指をいれた瞬間、大量の水が布団や彼女の太股、オレの身体に飛び散った。
水浸しのオレを見て、また彼女は泣きそうな顔になった。
そんな心配性の彼女を抱き締め、耳元で低めに囁く。
「気持ちかった?」
びくりと震えた身体を更に抱き締める。
何も言わないけど、怒ってないのは確かだ。
「少し…怖かったんだからな…?」
「ん、ごめんな…」
真っ赤な顔でふにゃりと笑って、「でも、よかった」と呟いた彼女の唇を塞いだ。
(どろっぷ)