アラド同人編(おつきさま)

□ジゼルの拷問レポート -ライニー-
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姓名:ライニー(フルネーム不明。コードネームの可能性有)
性別:女
年齢:二十歳前後
出身地:不明(体格や所持品より天界人だと推測できる)



一日目。
この日私の研究室に一人の女が連れてこられた。
女は私を眼の敵だとばかりに睨み付けた。
素性は明らかではないが、ここに連れ込まれたということはゲント皇都軍のエージェントであろう。
彼女の正体、目的、その他知り得る情報を得るための尋問が始まった。
故にこの日を一日目とする。
この日は彼女を磔にし、翌日からの拷問の準備を進めた段階で終了とした。


二日目。
実質的にこの日が尋問の開始日である。
所持品を調べたところ、名をライニーと言うらしい。それ以上の情報は確認出来なかった。
私が来るように依頼した諜報員が手にした鞭を振るいながら情報を聞き出そうとした。
ライニーは身体にいくつもの傷を作りながらも、目に涙を溜め、歯を食いしばって耐えていた。
二十分も続けると諜報員も疲れ果て、これ以上の拷問は無駄だと察知したため、ここで中断した。
諜報員はライニーを罵倒し(ある程度の防音処置をしているガラス窓の別室越しの観察のため内容は聞き取れず)、顔に唾を吐きかけ部屋を後にした。


三日目。
磔にしたまま二日間を過ごしていたためか、ライニーは目に見えて衰弱していた。
この日はゲント南門を警備していたスタンガン=セナを呼び寄せ、スタンガンによる拷問を開始した。私もセナの隣でメモの用意を整えた。
数百万ボルトの電流がライニーの身体を駆け巡ると、彼女は背中を仰け反らせながら耳に痛い悲鳴を上げた。
セナは拷問のエキスパートだと聞く。
事実前日のようなただ鞭を振るう諜報員とは違い、セナは数秒間電撃拷問を加えた後ライニーに何かを囁きかけたり、頬を叩いたりとある程度のゆとりを持っているように感じられた。
四度目のスタンガンがライニーを襲ったとき、一際大きな悲鳴を上げた後、遂にぐったりとうな垂れてしまった。
気を失い、体の力が抜けたため失禁してしまったようだ。ライニーの足元に小水による小さな水溜りが出来た。
冷水をかけて起こそうかと聞くセナに対し、時間はまだある上、殺してしまっては意味が無いと私はやめさせた。


六日目。
どんな拷問にかけても知らないの一点張りを貫くライニー。
私は苛つきながらも、もしかして本当に何も知らないのではないかという疑惑も浮上した。
そもそも頭の悪いカルテル兵が連れてきた女だ。可能性は在り得る。
しかし折角の素材をおいそれと返すわけにはいかない。
まずは抵抗出来るだけの力を無くし、心の底からの絶望を与えてやった後、記憶改竄で奴隷にしてやろう。
そう決めた私は野良蔵兵長、ガミガミ軍曹、マロン、カモカの四人を呼んだ。
私がライニーの縛めを解き、彼らに命ずる。
私の許可を受けた忠実なる四人の僕は眼の色を変えライニーに襲い掛かった。
ライニーは処女であった。
どんな拷問にも耐えたライニーであったが、この日は違った。
喚きながら、彼女自身が持てる力を振り絞って必死に暴れていた。
しかし連日続けられた拷問で弱っているからかすぐにねじ伏せられ、カモカの怒張が彼女の聖域を突き破った瞬間、痛みと恐怖で絶叫した後、何度も何度も両親の名を連呼し、涙をぼろぼろと零して慟哭した。
私を含め、彼らはそんな彼女の醜態に呵呵大笑した。
すっかり枯れてしまった私は参加することはしなかったが、見ているだけで満足できた。
肉体を改造し、体力も通常人体を遥かに凌駕した四人の暴力は、翌日の朝まで続いた。


八日目。
先日まで男たちに激しく乱暴されたライニーは、与えられた食事や水を摂取することなく、二十四時間を全裸で横向きに寝転がった姿勢のままで過ごしていた。
換気設備が整っていない部屋の中、鼻が曲がるような臭いに包まれ、それでも涙は流していた。
半ば廃人となってしまったライニー。
私は彼女を手術室へと運ばせた。
記憶を改竄し、私の忠実な五人目の僕とするべく改造するのだ。
そのためにはまず一切の記憶を消去し、そこに「ジゼルの奴隷」という記憶を上書きする必要がある。
記憶データを埋め込むのは一時間もあれば終わることだが、今まで蓄積した記憶を最も古い順から全て抹消するには少なくとも一日かかる。
彼女を記憶抹消装置にかけ、電源を入れた。
強力な麻酔も打ったことだし、手術室に見張りも立てた。たまには外の空気を吸いつつ、のんびり待つとしよう。



九日目。
私は自分の失態を呪う事となった。
麻酔の効果が切れてしまったのか、それともライニーの生命力がそれほどまでに強靭だったのか、彼女は予想以上に早く眼が覚め、まんまと逃げられてしまった。
研究室内のカメラ映像から見るに、およそ6時間前に脱走したものと考えられた。見張りも隙を突かれ昏倒していた。
記憶も消え切っていない。恐らく自分の名前や職業などは把握できていないだろうが、一番新しい記憶『カルテル=敵』だけは残っているに違いない。
彼女がゲントに戻ってしまえば、我々カルテルにとっても脅威になることは間違いない。
今は下の世界『時の遅れた大陸』から多くの冒険者と呼ばれる輩がここゲントに来ているという情報も入ってきている。
何としてもライニーを捕らえなければならない。
私は四人の部下にライニー捕縛を命じ、私自身も新兵器『メカニックジゼル』に乗り込むことにした。
機動性にやや難があるが、今はそれを向上する時間も無い。
大きな捜索はカモカやマロンらの部隊に任せ、私は最もゲントに近い位置で待機することにした。
これが天才の、極々稀に見る失敗である。

(ジゼルが逃亡した際スーツケースから零れ落ちたファイル。道中出会った記憶喪失の女性と深い関係がありそうだ。)

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