アラド同人編(おつきさま)

□壊された戦姫(レンジャー) 終章〜壊狂〜
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目が覚めた。
カーテンから朝日が洩れ、毛布に包まる二人の裸体を優しく照らす。
「…はぁ……ふぅ…」
今でもハッキリと目に浮かぶほど強烈な、思い出したくもない悪夢を見た。
ふと怖気を感じ、つい横で眠る女性の胸に顔を埋めた。
温かい、母のそれにも似た柔らかな感触にレンジャーは安心し、息を一つ吐いた。
「あら…どうしたの?」
彼女も目が覚めたのか。
微笑みながら、優しくレンジャーの頭を撫でた。
レンジャーの隣で眠っていた女性、バルキリーは天界のゲント皇都軍の一個隊隊長である。
そして同時に、レンジャーの恋人であり、肉体関係にまで進んでいた。
彼女は生まれつき大陸の鬼神カザンの気にあてられ、精神的にも肉体的にも女性であるものの、男性器も持ち得る両性具有者なのである。
体質から男運がなく、自身もその異常に苦しみ悩んでいた。
迷いを捨てるべく軍隊に入れどその苦悩からは抜け出せず、自殺も考えた程であったのだが、レンジャーがそれを救ったのだった。
レンジャーは極度の男嫌いだったのだ。
人に理解されない悩みを持つ二人は、すぐに惹かれ合い、恋人同士になったのであった。
「…すみません、隊長」
「敬語なんて使わなくていいわよ。今はプライベートなんだから」
「ん……ちゅぅ…」
公私を混同しないバルキリーがレンジャーの唇を奪いながらそう諭した。
「……私…あの…」
口ごもりながら、恋人に甘える。
怖い夢を見たから抱きしめてくれ、などと子供じみたことは言いたくなかった。
彼女とは、ずっとアダルトな関係にありたかった。もっとも、そう考えていることが子供っぽいかもしれないな、と心の中で一人ごちたが。
しかし、バルキリーは彼女の言葉に何を理解したのか、ぎゅっとその身体を抱きしめた。
「悪夢でも見たのかしら?」
その言葉に観念し、胸の中でコクリと頷いた。
「そう……さぞ怖かったでしょうね。でも大丈夫よ。どんな悪夢でも、必ず朝が来れば目覚めるわ」
バルキリーはレンジャーの背中をさすりながら身体を下に移動させ、再びキスを一つ落とした。
「ちゅ…ん……ちゅる、れろぉ…」
それはすぐにディープキスへと変わり、二人のボルテージも上がっていった。
「ふふ…身体火照ってきちゃったわ。"いつもの"、してもらえる?」
「はい……」
レンジャーが恋人の乳房に口をつける。
温もりが欲しかったレンジャーは、バルキリーの匂いや体温に安堵していた。
舌を使い、赤ん坊が母乳を吸うような優しい力で愛撫していく。
「ん…んぅ……いいわ…下も、いいかしら?」
頷き、身体を屈めた。
彼女の目の前に、既に半分ほど勃起したペニスが存在していた。
仮性包茎のそれはバルキリーのコンプレックスだが、夢の中で凄惨な性の暴力を受け続けていたレンジャーにとっては、これ位のサイズが一番いいと改めてそう感じていた。
「…あむ……」
躊躇いなく咥え込み、舌で全体を掃除するようにしゃぶっていく。
「んじゅる…んっん……ふぅりゅ…じゅずず…っ」
「んっふっ!!ちょっ…ちょっと、がっつきすぎじゃない?」
これじゃあすぐに射精ちゃうわよ、そう小さく零すバルキリーに申し訳なさそうに項垂れるレンジャー。
「……ごめんなさい。私……あの夢、本気で怖くて……今、隊長がそばにいるんだって思うと…それだけで嬉しくて……あの…」
「…そうだったわね。ごめんなさい」
レンジャーはいやに現実味を帯びた悪夢を見た直後だ。縋りたくもなるだろう。
バルキリーは柔和に微笑み、彼女の口淫に身を任せた。
「もういいわ。ありがとう」
体勢を整え、仰向けに寝転がるレンジャーの、男慣れしていない膣口に肉棒を宛がう。
「んく…ふぁ…ああっ!!」
挿入しただけでビクビクと震える身体。
「もしかして…もうイっちゃったの?ふふ、可愛い♪」
「ひっ……ぁ…ぅ…」
部下を励ますためにからかってみたのだが、当の本人はまだ夜に見た夢の恐怖がへばりついてしまっているらしい。
彼女は当然わからなかったのだが、レンジャーは夢の中で見知らぬ女にいやと言うほど暴力を振るわれ続けたのだ。
そのため、バルキリーのその言葉でも、古傷をほじくられるような痛みがちくちくと伝わったのだ。
「た、たいちょ……ぎゅうって……だっ、こ…」
恥を捨てたのか、子供のように両腕を伸ばすレンジャーに、バルキリーははいはいとその身体を抱え上げた。
ゆったりと腰を振り、無理のない穏やかなセックスを心がけた。
「大丈夫?怖くない?」
その問いに、レンジャーはコクコクと頷いた。
「そう、よかったわ。膣内に射精して大丈夫?」
「は、はい…」
バルキリーは小さな喘ぎ声と共に、果てた。
レンジャーの下腹部に、じんわりとした温もりが染み込んでいく。
「今日はゆっくりするといいわ。幸いお休みだし、二人でのんびりしましょう」
汗で張り付いた髪を撫でながら、バルキリーは恋人の額にそっとキスを落とした。
レンジャーは幸せに目を細め、やがてうとうととまどろみ、目を閉じた。
再びあの悪夢を見ないよう、バルキリーの腕にしがみ付きながら…。
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