TOS-R・CP

□溺死
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「アリスちゃん!」


ホントに、鬱陶しい。

アイツは、何してるのよ。

イライラする。


「アリスちゃんっ」

「何度も呼ばないで。あと、アリスちゃん、今機嫌悪いから、どこか行って」


そう言えば、途端に表情を変える。

何が楽しいのか、ヘラヘラしていた顔は消えた。

深刻な顔で、落ち着きなく話し始めるから、更に鬱陶しい。


「ア、アリスちゃん、何があったの!? 誰かに嫌な事を言われたとか!? そんなヤツ、オレがぶっ飛ばしてくるから」

「……」

「アリスちゃん、遠慮なくオレに言って」


動きも、

言葉も、

声も、

表情も、

ニオイも。


全部全部、アリスちゃんの前から消えればいいのに。

イライラする、イライラ……。



思考を乱され、無意識にデクスが心に入ってくる。

うるさい、うるさい。

アリスちゃんの中から、出てってよ!

デクスに奪われる思考回路が悔しくて、許せなくて。

思い切りため息をついた後で、顔を向けた。


「アリスちゃん」

「デクス」

「何!?」

「半径1キロ、離れて」


にこりと笑って、思い切り蹴り飛ばした。

もう少し、体力つけようかな。
 
思ったより威力が小さくて、そんな事を考えた。






溺死

オレ、アリスちゃんに溺れて死にそう!

そっ。勝手に死ねば?

!!

あ。死ぬなら、やる事やってからにしてね。

アリスちゃん……。








E N D



2009/04/30
 

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