小説2

□ばれんたいん 08.3.5
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「今夜あなたのちよこれいとをいただきに参ります☆」
「わーキャッツだー」
「わー素晴らしい棒読みだー渋谷」
「うるさいなあ、しかたなく言ってるんだから大目にみろよ」
「坊ちゃんシィー! そんな本音を今言わなくってもいいじゃない!」
「嫌なら嫌って言えよな」
「だって付き合ったらチームに入ってくれるって」
「あのね」
「おーっほっほ、怪盗猫目には王様だって言いなりよ! だからほら素直に差し出したほうがいいわよ、ちよこれいとを」
「じゃーんけんほいっ、パ・イ・ナ・ッ・プ・ル、と」
「イヤーなんで遠ざかってくのー」
「そこはグリコじゃねえの、ってこいつはまた懐かしい遊びだなムラケン」
「ねえイジワルしないでちょーだいちょーだい、ちよこれいとチョーダイよーっ!」
「怪盗なら泣き落としじゃなくて予告通りに奪えよ。まあ無理だけどね持ってないから」
「えっなんで? 今日はばれんたいんでしょ? 愛するひとにちよこれいとをあげる日なんでしょ? だったら」
「愛してないから用意してないんじゃないの」
「なっ…」
「む、村田、お前それはちょっと酷いんじゃ」
「だいたいなんで男の僕が用意するんだよ。あれは女子から貰うもんなんだけど」
「だってあなたから愛の贈り物がほしかったんだもの…ってあらぁ、ちょっとあるじゃないの猊下ここにちゃんと」
「あっ、なに勝手にひとの鞄漁ってんのさ!」
「んもう猊下ったら、こんなカワイイ包みなんかで用意周到なくせにぃ」
「いやそれは」
「予告通りにちよこれいとはいただいたわ! ではさらばっ」
「あっコラ待てヨザック……まあいいか、どうせ下駄箱に入っていたやつだしアレ」
「えっ今なんてったダイケンジャー? なんか下駄箱って聞こえたけど気のせいか?」
「気のせいじゃないよ。学校のに入ってたんだよねあれ」
「だってお前の学校って…さっきのは見るからに手作りっぽかったぞ」
「誰が作ったんだろうね〜? 下剤とか入ってなきゃいいけどね〜ていうか、下剤程度で済めばいいね〜」
「…お前…実はデンジャラスな学園生活送ってる?」




 コレから発展しちゃった話は次のページから始まります。
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