ブック14

□星空
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君を見ていると辛いのは…。











『あっ、流れ星!
ナナリー、早く願い事を言わなくちゃっ』

『えっ、願い事ですか?』


星々の大海を、ユフィとナナリーは手を繋いで見上げる。


ナナリーは首を傾げた。


『どうして願い事を言うのですか?』

『だって、流れ星が流れてる間に願い事を三回唱えると、その願い事が叶うと言うでしょう?
ナナリー、知らないの?』


ナナリーは何度もコクコクと頷く。

ユフィはそんなナナリーの頭を撫で、すぐ隣に座る俺を見た。


『ルルーシュは知ってる?』

『いや、知らなかったよ。
でも、それが本当だとしても、流れ星が流れてる間に三回も願い事を唱えるのは難しくないかな?』


俺の言葉に、ユフィは頷き残念そうに言った。


『私はまだ一度も成功してません』


拗ねたように口を尖らすユフィ。

その表情が愛らしく、笑みが溢れる。


『でもね!』


ユフィは俺とナナリーの手を握り、星を真っ直ぐに見た。


『どうしても叶えてほしいお願いがあるの!』


『ユフィお姉様の願い事って?』


『ふふっ。それはねー…』






星は変わらない、とユフィは言った。
確かに、今二人が見ていた星空はあの頃と変わらないように見える。


けれど、けれどユフィ。
星だって変わっていってるんだよ。


……俺と君のように。



―戻れないのですか?

―そうだね。…戻れたら、どんなに良いだろうね







君を見ていると辛い。

君のいた優しい日々を思い出してしまうから。

もう決して戻れないと知っているから。





「…あ…流れ星…」








―――…それはね、ルルーシュとナナリーとずっと一緒にいる事!








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