ブック14
□再会
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そこには、あの頃と変わらない瞳がある。
ずっと“もしかして”と思ってた。
ホテルジャックに巻き込まれた日に初めて会った仮面の男―ゼロ。
彼はクロヴィスお兄様を殺したのは自分だと、
日本のテロリストの屍の中で一人立っていた。
『―相変わらずだな』
『えっ……』
その響きに、見覚えがある。
けれどあの人は、何年も前に死んだ人。
それに、あの人はあんな酷いことが出来る人じゃない。
私の覚えてるあの人とは何もかも違うのに、ゼロを見ていると、重なる人がいた。
とっても大好きだった、あの人。
ナナリーと一緒にあの人に引っ付いてよく遊んだ、腹違いのお兄様。
「ルルーシュ…ルルーシュなのでしょう?」
再びゼロに銃を向けられながら、尋ねた。
彼はゆっくりと銃を下ろし、仮面へと手を伸ばす。
仮面を脱ぐと、漆黒の髪が見えた。
ゆっくりと瞬きをして、あの頃と変わらない紫色の瞳で私を真っ直ぐに見る。
ああ……やっぱり…
「…ルルーシュっ……」
その瞬間私はルルーシュが敵であることを、
私の副総督という立場を忘れた。
私の目の前には、大好きだったルルーシュとしか見えなかった。
。
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