ブック13

□りょうていっぱいの幸せ
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左手は彼女を


右手はこの子を










小さな小さな手のひらはふにゃふにゃと柔らかそうで、
友達から「体力馬鹿」と言われるほど力の有り余る僕が触ったらその小さな手のひらが壊れちゃうんじゃないかと思った。


だから人差し指をそっと、本当に少し触れる程度に小さな手のひらに近付ける。



すると、あの小さくて柔らかな手のひらは、想像していなかった強さで僕の人差し指を握り締めた。
思わず指を引こうとしたけど、小さな手は離そうとせず、より強い力で握り締めてくる。





どうしたものかと目を瞬かせていると、その様子を見ていた彼女がクスクスと可笑しそうに笑いだした。


「もうパパが分かるのね。離したくないみたい」



彼女が小さな命を抱きながら微笑む様はまるでこの世のモノでないくらい眩しくて美しいと思った。
でもそれはこの世に存在していて、僕の傍にこれからもあるモノで。










ああ、いとおしいなぁ。




心から思う。
僕にはもったいないくらいの幸せたち。






彼女の腕の中で僕を見る小さな命と一緒に、彼女を抱き寄せた。




「…ありがとう」

「スザク?」

「いろいろ、ありがとう」

「…ううん、わたしの方こそ、ありがとう!」




 
まだ名前のない小さな命だけど、君がもたらしてくれた幸せは大きすぎる程だ。

君にも、ありがとう。







彼女と君を守りながら、僕はこれからも一緒に生きていきたい。










左手は彼女を、右手はこの子を抱いて。
僕は世界で一番の幸福者!











りょうて いっぱいに 幸せ











やっちまったー!やっちまったよぉぉ!読んだ方すみませんんん!
最初はゼロスザクの夢ってことにしようかとも思ったんですが、二次なんだし捏造なんだし、幸せのままにしました〜。

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