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□雨
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今日はマジで最悪な朝だった。

寝坊して急いで着替えてたら弟達に朝飯となぜか弁当まで食われてるし仕方ねぇからコンビニ寄ってこうと思ったらひでぇ雨だしトラックに泥水ぶっかけられるし(死んじまえ!)お陰で遅刻で今廊下に立たされてるし!

何も立たせなくてもよくね?小学生じゃねぇんだから。
何もあそこまでキレなくてもよくね?真田じゃねぇんだから。


チクショウ雨なんか大ッッッ嫌いだぜぃィィィ!!!!!!


『丸井煩い!!お前今の立場分かってんのか!』

なんだよ煩ぇのは阿呆センコーの方だろうがよぃ…思った事を叫んで何が悪い。


「…せんせー」

俺がイライラの絶頂期にたどり着いた頃、聞き覚えのある声が教室に響いた。


「気分悪いんでちぃと保健室に行ってもええかのぅ?」

『…分かった。保険委員、付き添ってやりなさい』

「いんや、俺一人で十分じゃき。ほいじゃ」


やっぱり。銀髪の髪をなびかせたあいつがガラガラと教室の戸を開けて出てきた。

「よぉ、ブンちゃん元気かえ?」

「んなわけないだろぃ」

「そかー、んじゃ、」

パタンと戸を閉めた頃にはもう俺と仁王は教室前にはいなかった。

「おわあぁぁ!?」

「ジメジメしてばっかじゃそりゃぁ気分もいいわけないきに!」

俺の手を引き走る仁王と俺の上履きが雨で湿った床をキュルキュル鳴らす。
一瞬先生にまた怒鳴られると思ったけどもうそんな事どうでもよくなった。
だって俺の好きな仁王がいるから。
走っていることが雨の湿気を吹き飛ばすほどすごい心地よくて。
だって仁王と走っているから。

仁王ってすげーよぃ…!

「ブンちゃん、このままサボってどっかいくぜよ!」

ああ、勿論、
お前と一緒ならどこへでも行くぜぃ!









(外へ出たら、あれだけ酷かった雨は止んで青空が広がっていた。)
(俺らは手に何も持たずに外へ飛び出した。)
(雨嫌いなんていってごめん。お前なんか大好きだぜぃ。)
(勿論仁王の次だけど!)





end
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