□FA
□Please forget・・・・。
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好きだった・・・。
好きだからこそ、
友達のふりをした。
お前に嫌われたくなかったから・・・。
でも君は・・・・・。
「Please forget・・・。」
「おめでとう。ヒューズ・・・。」
「おぅ!!ありがとな。ロイ!」
幸せな満面の笑みで言う。
昔からの親友。ヒューズ。
それを聞くロイは、いつになく浮かない顔をしている。
顔で笑い、心で泣きというのは、まさにこうゆう事を言うのだろう。
もちろん、親友には気が付かないほどのギリギリで顔に出さないが。
(・・・我ながら最低だな。)
ロイは心の中でそう呟く。
幸せそうな彼を見て、心底うれしいと思う。その気持ちは本当で、でも、隣にいる女性に嫉妬してしまうのも本心で・・・。
(しかし・・・私は、あくまで・・友人だ。)
そう、自分に言い聞かせる。
結婚式が終わって、頭の中で色々巡らせながら歩いていると、後ろからクラクションが鳴った。
振り向いてみると、仕事帰りの部下の顔があった。
「やっぱり大佐だ。帰りッスか?・・・・良かったら送りますよ。」
「あぁ、では頼む。」
そう言ってロイは、助手席に乗った。
しばらく走ると雨が降ってきた。
「・・・大佐。あの・・・俺ん家来ませんか?ここから近いし・・・それに・・・。」
続けて言おうとしたハボックは口を閉じてしまった。
ロイの顔が今にも泣きそうだったから・・・。
ロイはというと、ハボックの言葉が嬉しくもあり、嫌でもあった。
構ってほしくない。今の自分を人に見せたくない。けど、誰かに傍に居てほしい。
迷ったロイはハボックの家に行くことにした。
「すいません、少し散らかってますけど。何か飲みますか?安っすい酒しかないッスけど・・・。」
そう言って先に入っていったハボックは床に散らかっている自分の服に足をひっかけて転んだ。
「いででで・・・。大佐、気を付けて・・・。」
「ククク・・・。」
ロイはハボックの転び方があまりにドジ丸出しだったので思わず笑ってしまった。
そんなロイを見てハボックも笑った。
「大佐。やっと笑いましたね。」
「・・・?どうゆうことだ。」
「車ん中で・・・いや、会った時から、大佐。泣きそうな顔してたんスよ。・・・・・何かあったんスか?」
ロイは驚いて少し目を見開いたが、その後に目を伏せて、
「まぁ、色々とな・・・。」
とだけ言った。そんなロイを見たハボックは、
「俺で良かったら話してください。まぁ、玄関もアレなんで、中にどうぞ・・・。」
ロイとハボックは酒を飲みながら話し始めた。
今日の結婚式の事、ヒューズの奥さんがキレイな人だったこと、色々話した。
でも、話をしている時のロイは、本当に今にも泣いてしまいそうな、否、実際心で泣いていたのかもしれない。
一通り話したロイは、少しホロ酔いぎみだった。
元々ロイは酒に強い方ではないので、酒に強いハボックに比べるとすぐにつぶれてしまうのだ。
「・・・・そうですか、良かったッスね。中佐ならいい家族できそうですもんね。」
ハボックはロイがヒューズの事を好きなのを知っている。
昔、酔った勢いで言っていた。
「あぁ、友人としてはとても嬉しいよ。しかし、素直に喜べないんだ・・・。そんな小さなことで、私はこんなにも見っとも無い人間になってしまうのだよ。」
まるで、自分を嘲笑ってくれと言わんばかりの口調だった。
「・・・人間は弱い生き物です。俺はアンタのこと笑ったりはしません。大佐の気持ち。よく分かります。今日の結婚式、辛かったッスね。大佐、よく頑張りましたよ。アンタのことだから、自分の感情が顔に出ないように、ギリギリの所で耐えていたんでしょう。俺だったら多分、その相手の人を殺してるかも・・・。」
「私はずっと、今まで引きずってきていたんだ。でも、何も伝えられなかった。それは私の意志だ。好きな気持ちは伝たえないで自分の心の中だけで留めておこうと・・・・でも・・・。」
「大佐は、強い人ッスよ・・・。」
顔を伏せて話しているロイを、優しく頬から包むハボック。
そして、ギュッと抱きしめて、まるで小さい子に言い聞かせるように言った。
「俺、大佐がこんなに苦しんでるの嫌ッス。」
そう言ってハボックはロイの耳を甘噛みしフッ息を吹きかけた。
「・・・ふぁ・・・。」
ホロ酔いもあって敏感になっているロイは体をビクつかせた。
「俺が忘れさせてあげますよ。辛そうな大佐見てるのはもう、嫌ッス。大佐も、こんな気持ち、持ち続けるのは嫌ッスよね。」
耳元で甘き囁くハボック。ロイは少し考えたようだが、コクンと頷いた。
それが合図だったかのようにハボックロイにキスマークが濃く残るように強く吸い付いた。
「んっ・・・・やぁ・・・ハボッ・・・。」
「大佐。そんな顔せんで下さい。俺、泊まんなく・・・。」
ロイはハボックの首に手をまわし、耳に自分の息がかかるような体制になった。
ハボックのキスがあまりにも強いので自然にそうなってしまった。
その行為で、ハボックの理性が飛んでしまった。
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