□FA

□狂愛
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俺の上司はとても強い人だ。
人に弱みを見せる事をとことん嫌う人。
用はプライドが高いだけなのだが、29という若さで国軍大佐になったのもその性格だからだろう。
人が手を差し伸べても、その手を払いのけ、地べたを這いずり回ってでも自分で上がってこようとする人だ。
そして、他人が傷つく事を嫌い、らなば自分が犠牲になろうという人なのだ。
そんな人だからこそ、部下は付いていくけど、俺は恋人として心配になる。
ロイは、強くありたいという心から涙を流さない。
こんな事が続けば、いつかこの人は涙を流せなくなってしまうだろう。
きっと、泣き方を忘れてしまう。
あの人は、“それはそれで良いだろう”と言うだろう。
でも、俺は悲しい事だと思う。
感情を一つ無くしてしまうのだから。
だから俺は、俺と二人っきりで居る時は泣いてもらおうと思った。
ロイがなき方を忘れないように。
感情を無くさないように。
でも俺は、アンタを泣かせてあげられるような気の利いた言葉をかけてあげられない・・・・。
ゴメン、ロイ・・・・。
俺、頭悪りぃから、こんな事しか思いつかなかったんだ。
こんなコト考えるなんて狂ってるって分かってる。
出来れば苦しい思いもさせてあげたくない。
でも、今は、これで我慢して・・・・。
いつか、俺がアンタを支えてあげられるようになるまで・・・・・・・。











「狂愛」
















明日は二人揃っての休暇と言う事で、ロイはハボックの家に来ていた。


「今、飯作りますんで・・・・ロイはシャワーでも浴びてきてください。」


「む、分かった。」


トタトタと風呂場に行くロイを見送ってから、ハボックは料理を始めた。
栄養の偏るものばかりを食べている恋人のために、色々な思考を凝らしている。
この考える時間がハボックは好きだった。
そして、料理に取り掛かる。
ちょうどいい匂いがしてきた頃、ロイが風呂から上がってきた。


「ん。うまい。」


「ありがとうございます。」


ニコッと笑ってハボックが言った。
ハボックの作った料理は本当に美味しくてロイも満足していた。
そして、食後のコーヒーを一杯。



このコーヒーが後に、ロイにとっての災難を引き起こす。




「んじゃ、俺も風呂に入ってきます。」


「うむ。」


そう言ってロイは本を読み始めた。


「・・・・・・大佐。」


「何だ。」


「・・・・やっぱ、なんでもないッス。」


「・・・・?」


「・・・クス・・・。」


顔一杯に?が浮かぶような顔をしたロイが居た。
その顔があまりにも可愛くて、つい笑ってしまった。


「何故笑う。私の顔がそんなにおかしいのか?」


「いやいや、すんません・・・。あっ、そのコーヒー残さず飲んで下さいね。捨てるのもったないんで。」


そう言ってハボックは風呂場に向かった。


「・・・?変な奴だな・・・・。」


ロイはそう言ってコーヒーを一口、また一口と飲んでいった。
そして、最後の一口を飲み終えた頃、ロイの体に異変が起きた。


「・・・・っ、ふぅ・・・。」


体の中が段々熱くなり、息切れがしてきた。
初めは熱でも出てきたのかと思ったが、体の中心に少しずつではあるが熱が集まり始めていたので、熱ではない事に気付く。


「これは・・・・一体・・・・っ。」


そして、熱い疼きは確実にロイのことを犯していく。
段々自分ではどうしようもなくなってきて、思わず自分の物を握ってみる。


「あっ!!」


触ってみてビックリした。自分でも驚くくらいに敏感で、握っただけで達してしまいそうになった。
息切れも激しくなっていき、苦しさも出てきた、ロイは床に手を突き苦しさのあまり四つん這いになった。
そこに、風呂から上がってきたハボックが来た。


「ロイッ・・・・!!」


「・・・っぁ、は・・ハボッ・・・。」


ロイのあまりの変貌ぶりにハボックは駆け寄った。


「・・・ハボッ、・・・っぁ、お前・・・ハァ・・・一体何を・・・。」


息切れがひどいせいか、言葉が途切れ途切れで、顔も火照って、目も涙目で・・・・・、そんなロイを見たら俺のムスコは一目散に反応した。
ロイがそんな事になったのは、媚薬のせい。
そう、俺がコーヒーと一緒に飲ませた媚薬。
本当はこんなの間違ってるって分かってる。
ロイがこんなこと望んでないのだって・・・・。
でも、日に日にロイの顔から感情が消えていくのを、涙を堪えているのに気が付かないようにするほど、俺は強くないし、大人でもない。
たった今、この瞬間だけでもいいからこの人に目一杯泣いて欲しい。


「ロイ、そんな顔して、俺を煽ってんスか?」


そう言って、ハボックは半立ちになっているロイのものを優しく愛撫した。


「あぁぁ・・・・ハボッ、ッぁ・・・ん。」


「少し撫でただけじゃないスか、そんなに気持ちイイんスか?」


そして、段々手に力を込めいく。













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