□FA
□キレイな手
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一通りの情事を終えて、ハボックがボソリと言った。
「キレイな手〜for you love〜」
「大佐の手はキレイですね・・・。」
ロイの手を握ったり擦ったりして遊んでいる。
「・・・・キレイなんてものじゃないよハボック。数え切れないほどの人を殺してきた、人殺しの手だ。」
ロイは自分の手に目を落とし、悲しそうに言う。
「あの頃の私は、それが国家のためだと、疑問を抱きながらも、そう思っていた。毎日毎日、イシュバールを焼き払った。しかし、それは大きな間違いだった。ただの・・・大量虐殺だったのさ・・・・。」
「ロイ・・・でも、それでも俺はロイの手はキレイだと思います。」
「何故、そう思うのかね?」
すると、ハボックは、ロイの手を握ってニコッと笑った。
「イシュバールの人々を救おうとしているロイの手はキレイです。たとえそれが己に対する戒めであっても。」
「・・・・ハボック・・・・。」
ロイはキョトンとした顔をした。しかし、ニシシと笑っているハボックの顔を見ていたら、何となく張り詰めていた糸が緩んだ。
(ハボックのくせに・・・。)
「お前が言うなら少々信憑性にかけるな。」
天邪鬼なロイはフッと鼻で笑った。
「ひどいッスよぉ〜。せっかく良いコト言ったのに・・・。」
「ははは・・・だが、そんな事を言ったのはお前が初めてだよ。」
「あたりまえッスよ。ロイのことは俺が一番よく知ってますから。」
そう言ってハボックはロイの頬にキスをした。
「お前は、そんな歯が浮くような台詞をよく言えるな・・・。」
「ロイほどじゃないッス。」
「私がいつそんな事を言ったのだね?」
「女の子とかにはしょっちゅう言ってるクセに。」
「//・・・あっ、あれは建前だ!!」
「建前でも俺には言ってくんないんッスか?」
ズイッとロイに顔を近づけるハボック。ロイは思わず目をそらした。
「何で目ぇそらすんッスか。」
「////。」
「ロ〜イ・・・。」
さらにハボックの顔が近づく。ロイの顔は真っ赤だ。
「きっ・・・気づけ!!馬鹿者//!!私は、本命に弱いんだ!!」
「!!」
ハボックは一瞬固まってしまった。
「うわっ!!今、スゲー告白聞きました。俺、ロイのそうゆうトコ大好きッスよ。てか、可愛くって、もう、ど〜しようもないッス!!」
ハボックはロイをギュッと抱きしめた。
「お前こそ、素直に自分の思っている事を、何の恥じらいも無く言うから・・・・可愛いん・・・だ。」
ロイがボソッと呟いた。
「?何か言いました。」
「いや、苦しい・・・ハボック・・・。」
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