*afterschool・1*

□ネガティブの神様*彩木嵐士
1ページ/1ページ







ボクの価値って

重さにしたらどれくらいかな?






初めは

ただ単純に

ボクの唄がいいって言葉だけで

それだけで嬉しくて

もっと色んなヒトに

喜んでもらいたくなって




色んなヒトに

ボクを

見てもらいたい

認めてもらいたい

もっと もっと

歓喜の声が聞きたい


そう思ったら

もう止められなくて






でもいつからだろ

こんなに

唄うのが苦しくなったのは…






みんな

ホントにボクの唄を

楽しみにしてくれてるのかな?


ボクがいいんじゃなくて

ホントは

違うヒトがいいんじゃないかな?








大好きだった唄が

今ではボクを締め付けて

声を出す度

無償に泣きたくなる




こんな気持ちじゃ

唄えない

こんな気持ちじゃ

みんなに悪い






ボクが行きたいトコはどこ?

ボクが聞きたいのは誰の声?








この惑星の




基準


評価





名前


嫉妬


都合


立場


感情―…








重さを持たないボクの身体は

その重力に負けて

フワフワと

着地点のない旅をする













End.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ