王道はドコ行った?

□委員会役員達の放課後
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「ビバ☆王道!」


 興奮気味に語っていた男は、ここでようやく余韻を噛み締めるかのように間をおいた。


「ビバ☆おう「ウルサイ」ど・・・」


 時は6月、しとしとと雨が降る放課後。
 所は鳴鐘学園高等部、とある教室の一角。


 高らかに叫んでいた彼《山吹 辰巳(ヤマブキ タツミ)属性:腐男子》は、同じ委員会メンバーであり自分の変わった趣味に理解を示してくれているハズの友人達を見渡した。



 辰巳の王道万歳☆三唱を遮った不機嫌度MAXの二年生役員《緋山 新(ヒヤマ アラタ)属性:スリーピングビューティ》なんかは、普段はトロンした瞳に並々ならぬ殺気を込めて睨みつけてくる。



 片手にフォークを。片手に湯気立つマグカップを。鬼畜な二段構えをとる男前、三年生役員《黒岩 鉄史(クロイワ テツシ)属性:オラオラ系アニキ》も殺気・・・と言うよりはる気だ。フォークを投げる体勢に入ってる。



 そんな鉄史を必死に宥めている一年生役員《林 みどり(ハヤシミドリ )属性:爽やか系苦労人》は時々こぼれるマグカップの中身(熱々コーヒー)を全てくらっている。・・・制服が斑模様だ。
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