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□擦れ違い
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―――――――――――………おい、
ん……誰だい、君……?
おまえ、何故そんなに傷だらけなんだ……?
あぁ、ちょっとしたいざこざがあってねェ……
ちょっとした…だと?この怪我でか……?
ダ〜イジョウブ♪この位すぐ治るヨ!……ツッ…!
ほら見ろ。その分ではまともに立つのもやっとではないか
今は、ちょっとアレだけど休めば平気だって
………来い。私が手当てしてやる
へ?
何している、城まで連れて行ってやるからさっさと肩に掴まれ…
……君さ、なんで………僕なんかを助けてくれるノ…?
なんだ、放っておいてほしかったのか?
う〜ん………でも、僕がほっといてって言っても君はきっと僕のこと助けたデショ?
フン、自惚れるな。私はそこまでお人良しではない
そうカナ…まっ、そういう事にしておいてあげるヨ☆…っイテテ……
喋るな。傷が開くだろう……
流石に今回はちょっと深手だったなァ………………ねェ、ところで君名前なんて言うの?
……………ユーリ、だ。私の名はな…
ユーリちゃんか〜可愛い名前だネ♪
…言っておくが私は男だ。そしてちゃんを付けるな
ヒヒッ、ゴメンゴメン〜。僕はスマイルっていうんだ。よろしく〜
あぁ
…なんか、ユーリって優しいんだネ
は、何を言う。私はただ城の敷地内の森に見知らぬ奴が勝手にのたれ死んでいては困るから手を貸してやっているだけだ
そんなに、ムキになって言わなくたってイイじゃない
…勘違いするな
はいはい、分かりましたヨ。…ねぇねぇ、ユーリ〜
なんだ?
……ありがとう。
《擦れ違い》の先に…