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□甘い休日
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「悟飯さん…。暇です!」

え、いやあ、あの、どうしたらいいのか…。



い休日


今、界王神様は僕の家に遊びに来ている。所謂お家デートというやつだ。
しかし何をすればいいのか分からない!とっても困った!
界王神様を退屈させては申し訳ない。

考えろ!考えるんだ!



そういえば、この前母さんと悟天にと思って買ってきた街のお菓子やさんの焼き菓子があったはずだ!

「界王神様、ちょっと待っててください。」
悟天と母さんがまだ食べていなければ残っているはず。急げ急げ!

茶箪笥を開けると、あの可愛らしい菓子箱に詰められた色とりどりの焼き菓子の姿が見えた。ホッと肩を撫で下ろす。

来客用の皿に並べ、紅茶を淹れる。
あとは持って行くだけだ!

「界王神様!お待たせしました!」

大きな瞳を更に丸め、きょとんとする界王神様。
「随分と可愛らしい焼き物ですね。これは何というのですか?」
早速焼き菓子に興味を示してくれた。

「これは地球のお菓子で、マカロンっていうんです。詳しくはよく分からないんですけど、色とりどりで形も可愛いでしょう?」

そういって界王神様に一つ差し出す。
待ちきれないかのように、早速一口ぱくりと放ると、たちまち目を輝かせた。

「これは、さくさくふわふわ、とっても美味しいですね!悟飯さん!」
まるで子供のようにキャッキャと口を動かす界王神様。とても可愛い。

「ふふふ。喜んでいただけましたか。これで暇をさせなそうで良かったです。」と安堵の声を洩らすと界王神様は少し頬を赤らめた。

「あっ、あれは、」
「?」
「嘘、です。」

えええっ!?

「本当は悟飯さんのことを眺めてるだけで、満足なんですよ。」

「な、なんだ、僕、てっきり…」

「でも、あんまり悟飯さんのことばかり見ていては、と思って。心にも無いことを言って申し訳ありません。」

退屈してたわけじゃないのか。気なんて遣わなくていいのに。

「界王神様、気なんて遣わないでください。眺めてるだけで満足だなんて、これほど嬉しいものは無いんですよ。」と、ニッコリ笑うと界王神様も笑顔になる。




お家デートも悪くない。

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