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□仮病
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「朝だっつっつんだろ!起きろ!!!!」
朝から大きな声がこだまする。とても爽やかな朝とは言えない。
「やだ。具合わるい。」
ころり。と寝返りを打ち、大きな声の主とは反対を向く。具合など悪くない。

仮病なのだ。



最近親父はカカロットカカロットって、カカロットにつきっきり。弟のあいつがチビだし、親父の手が必要なのも分かるけど、流石に俺だって寂しいんだ。俺だって構ってほしいんだ。

昨晩からラディッツはそんなことばかり、一人悶々と考えていた。
ラディッツだって年頃なのだ。構ってほしさもある。そんな事ばかり考えていたら妬いてしまい、挙げ句のはてに臍を曲げてしまったのだ。
しかし流石にそんなことをバーダックには伝えられない。プライドというものがある。格好がつかない。


「なんだ、具合悪いのか。」
サイヤ人の身体は頑丈なので、そんなこともあるのか、と不思議げに頬の傷をポリポリと掻くバーダック。天然と言えば良いのか、何と言うか。
これにはラディッツもフンと鼻を鳴らす。

ふと昨晩考えていたことを思い出し、目頭が熱くなるラディッツ。やはり構ってもらえないのは寂しい。
気付いたときには涙が一筋、頬を伝っていた。

「あ!?」
耳元でバーダックの声がする。
驚きでラディッツは肩を小さく揺らした。

「なんだ、そんな具合悪いのか!?」
ラディッツの涙にバーダックも流石に驚きを隠せなかった。
わたわたと慌てるバーダックを見かねたラディッツは一呼吸置き、
「だって」と切り出した。

「カカロットばっかり、構ってもらって…」言葉が続かない。心なしか涙声だ。
「あ…」バーダックも そういえば…と我の行動を振り返る。

「…すまん。」
「…。」

暫く沈黙が走った。
するとバーダックの視界がぐるりと回る。
「????」何が起きたのか理解出来ていないようだ。

「今日1日これで、許すから。1日一緒に、いてくれ。」
バーダックはラディッツのベッドに引き寄せられ、抱きつかれていたのだ。

少しバーダックは考えた。
「…カカロットは…セリパにでも預けるか。」と答えた。

カカロットを預けるということは、カカロットの面倒をセリパに1日任せるということなのだ。
それを理解したラディッツの表情が明るくなる。

歓喜の涙を頬に伝わせながらバーダックの胸に頬をすり寄せる。
「親父、ごめん。具合悪いっての仮病なんだ。」
バーダックは少し呆れ気味に、ハハッと笑った。
「カカロットを預けてきてから、二人っきりだぞ。存分に可愛がってやるからな。」
と、添えてラディッツの頭をわしわしとなで回した。






たまには仮病も悪くない。


このあと滅茶苦茶セッ●スした((((
 

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