斬り番用書物室
□夏の肝試し(学園モノ)
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「知ってるかい?伊達くん。このは出るらしいよ。」
同じクラスメイトの竹中半兵衛はこの合宿に参加していた。勿論、豊臣秀吉も同様に。
「Ah!yes!知ってるぜ!ってか普通に居るしなぁ!」
政宗はしれっと云う。
「やっぱり政宗にも見えるのか。俺様も見えるぜぇ!」
「なぁ、何が見えるんだ?政宗?教えろよー!」
慶次は解って居ないようだ。だが、秀吉は解っている為、耳を塞いで明後日の方を見ている。そっち系の話が苦手らしい。
「某も何が見えるのか知りとうござるよぉ!佐助や半兵衛殿ばかりズルイでござるよぉ!」
政宗と同じものを佐助や半兵衛が見れて自分は見れないのは幸村も慶次と同じく納得が行かない様だ。
そんな二人に、三人は顔を見合わせ溜め息を吐くと一言。
『霊だよ。幽霊。』
「なら俺には見えないか…霊感無いし。」
慶次は解って仕方ないと呟く。聞いた幸村はというと
「某も霊が見えるようになりとうござるよぉ!(悔)」
幸村が悔しそうにその場でゴロゴロと転がりダダをこねる姿を見て政宗達は、オモチャを買ってとダダをこねる子供を連想して笑った。
ワイワイと騒いで居たら見廻りを終えた元就と元親と小十郎が帰って来た。
「おめぇーら、何騒いでんだよぉ。外まで丸聞こえだぜぇ!」
元親は呆れながら話の環に入って来た。
小十郎や元就も遅れて入って来た。
「ん?あぁ、霊感有るか無いかの話。小十郎は見えるよな!(笑)」
「はい、政宗様。先程も戦国時代の武将の霊がうろついて居ましたよ。」
小十郎は政宗に笑って言った。
「そういやさぁ。毛利先輩や元親先輩は見えるのか?霊感有るのか?」
慶次は一番気になっていた事二人にぶつけた。
「我は霊感は無い!興味も無い!」
元就はどうやら霊感が無いらしい。
「俺はよく視るぜ。餓鬼の頃死に掛けてからな。」
元親は笑いながら言った。
「秀吉!お前はどうなんだよ?」
明後日の方を見ている秀吉に慶次が話を振ると。
「俺は知らん!」
「フゥ…秀吉はね。僕達よりは霊感ないけど多少有るから視れるよ。」
秀吉は苦手なのに見えるのか…可哀想。とか慶次は思った。
婆裟羅に夏休みの為合宿に来て1日目の夜。
佐助は皆に話を振った。
「ねぇ。旦那方、肝試ししない?折角此処に居るんだしさぁ」