MIREN

□後輩と報復
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今、学校はとある話題で持ちきりだった。
それは2つあり、片方は男子生徒を、片方は女子生徒を恐怖させた。

2つにはいくつかの共通点があり、犯人が白髪だという事、細身だという事、若者だという事、実行時間が夕方という事が主なものだ。
そのため、2つの事件は同一犯であるとの見方が強かった。

「でも、実際どうなんですかねー」

「まぁ確かに白髪の若者なんてそう多くは無いしな」

「だからと言って、それは安直過ぎません?髪なんて染めてしまえばいいわけですし」

ミレンの言い分はもっともだ。
とはいえ、事実なんてものは知っている者のみが知っている。
いくら予想した所で予想に過ぎない。
興味が無かった八城だったのだが、白髪というワードが懐かしく思えた。

だが、今回の件には関係ないだろうという確信があった。
アイツは、そんなこと出来る人間では無い、と。

男子達に肉体的苦痛を与える、連続高校生無差別暴行事件。
女子達に精神的苦痛を与える、連続レイプ魔事件。
これらが話題の事件だ。
前者は全治数ヶ月の酷い怪我や骨折、脱臼を負わせるといったもので、共通点はその対象が高校生というだけだった。

全員顔見知りではあるものの、それはこの地域では当たり前のようなもので参考にはならず、出身中学もバラバラ。
武器等は使っていないらしい。
捜査は困難を示しており、被害者は16人にもなる。

後者に関しては被害者が高校生には限られていない。
被害者は15人。

犯人は黒いマスクをしていて誰も顔は見ていないようだが、被害者の数人がその脇から白い髪を見たと言っている。
それだけが唯一の特徴だった。

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