獅子誕09



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マシュマロみたいに白い雲を追い掛けて、ついここまで歩いてきてしまった。君はもう疲れたと言ってその場にしゃがみ込む。俺はもう少しだけ歩きたくて、君をそこに残したまま散歩を続けた。

けれどやっぱり一人は味気無い。すぐに元来た道を引き返すと、君の手には花冠。それは鮮やかなダンデライオンだった。

「あなたにあげる」と言って微笑む君を見ていると、何故だかとても優しい気持ちになれた。素直に花冠を受け取って頭に載せると君は子供みたいにはしゃいで。

たまにはこんなのも悪くないなと独りごちた。
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