Apatia
□G
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ザックスに“誰だ?”と聞かれた純だったが答えることなくザックスを見るだけ。
凡(オオヨ)そ“自分から名乗れ”とでも思っているのだろう。
それを察したアンジールが答えてくれない純に戸惑っているザックスに助け船を出した。
ア「ザックス…目の前に居るのは仮にも1stだ。礼儀正しくしろよ。」
ザ「え!?女の1st!?」
ザックスは驚きそう言ったがすぐに自分が言ってはならないことを言ったと口を手で塞いだが既に遅し。
純は“女なのに”と言われたようで眉間に若干のシワを寄せた。
ザ「あぁ…え、と。俺、ザックス。ザックス・フェア、よろしく。」
先程の自分の失言もあり、ザックスは申し訳なさから上目遣いで純を見て手を差し伸ばした。
『伊達純です。』
純は名乗りはしたもののやはり握手はしなかった。
それは純からすればいつも通りなのだが、ザックスからしてみれば先程の“失言の所為だ”と思ってしまうこと。
ザックスはズーン…と沈む。
ア「ザックス。純は握手をしない。気にするな。」
ザックスなアンジールの言葉にパァッと一気に明るくなる。
上目遣いといい、すぐ気分が直ることといいまさに子犬だ。
そしてザックスはふと思う。
ザ「純…?伊達が名前なのになんでアンジールは純って呼ぶんだ?」
ア「あぁお前はまだ知らなかったな。純は日本人という人種らしくてな。そこの文化では後ろの名前がファーストネームらしいぞ。」
ザ「へぇ…。じゃぁ純が名前か。改めてよろしくな、純!…って、アレ?」
ザックスがクルッと純の方を振り返ったがそこには既に純は居なかった。
ザ「あれ、純は?」
ア「純ならもう行ったぞ。…何だ、気付いていなかったのか。」
“そんなことじゃ1stには程遠いな”と小言を言うアンジールを余所にザックスは再びズーン…と沈んだ。
ザ「よし、会いに行こう!アンジール、純の部屋って何処?」
ア「確か俺と同じ階の一番奥だった気がするが…まさか行くのか?」
ザ「あぁ行ってくる!俺、あいつの目気に入った!」
ザックスはそう笑うと走って純の部屋へ向かった。
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