Apatia

□C
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コツコツ…



コツコツ…






2つの足音が響くは神羅カンパニーのタークスフロア。






純とレノが歩いているのだ。





2人が目指すは純を勧誘しるよう命令した主任、ツォンがいる部屋だ。







コンコン





レ「入りますよ、と。」





『……。』





プシューと音を立てながら開く扉。



だが、中には目的の人物は居なかった。






レ「ん??どこ行ったんだ、と。」





『(早くしてほしいですね。)』






純がふ、とそう思うと背後に気配を感じた。





純がゆっくりと振り返るとそこにはブラウンの色をした肩辺りまである巻き髪を持つ女性。





レノ同様黒いスーツを身に纏っている。





??「ツォンさんならソルジャーフロアのブリーフィングルームよ。」






レ「…ブリーフィングルームかよ。」




レノが落胆したようにため息を吐くと同時に女性が純に話し掛けてきた。





シ「シスネよ。貴女がツォンさんの言ってた新しいタークス??」





ニコリと笑いながら手を差し出してきたが純はその手に応えることは無く機械的な挨拶を返すだけ。





『伊達純です。因みに、純が名前ですので。』





シスネと反対にニコリともしない純。





シ「そう、純ね。…それにしても勿体ないわね。」





シスネはそう言いながら純の黒髪に手を伸ばす。






シ「せっかく綺麗な黒髪なのに三つ編みなんて…。それにスカートも。長くて細い足が隠れてる。」






純はシスネの手を髪から外させると冷たく言い放つ。





『貴女には関係の無いことですよ。』






純の反応にシスネは怒りはしないが、驚きでと口をポカン、を開けた。





そこへすかさずレノがフォローに入る。





レ「(慣れてないから冷たいだけだと思うぞ、と。古代種には笑い掛けてたしな。)」





シ「(そう。仲良くなるには時間が掛かりそうね。)」





シスネはクスッと苦笑すると部屋から出ていった。







レ「純、行くぞ、と。」





レノと純もシスネに続き部屋を出て、ツォンの居るブリーフィングルームへ。









――…







ブリーフィングルームへ向かう途中エレベーター、レノの視線は純の眼鏡。





レノ曰く“古代種が綺麗と言ってた目が気になる”らしい。







レ「…純。」



『はい。』




レ「何で眼鏡掛けてるんだ、と。」





レノの突然な質問に純は冷たい視線を送る。





純の冷たい視線に既に慣れてしまったレノは何も感じないが普通は戸惑い、体が凍てつくだろう。





『何故そんなことを聞くのです??私がどうしようと私の自由だと言うのに…。』





純は拒絶の言葉を発するがレノはそれを無視し純の眼鏡に手を掛ける。







『ッ。』







パ チ ン ッ ! ! !






乾いた音がエレベーターの中に響いた。






『二度と…。二度と見ようとしないで下さいね。次は殺しますよ???』






レ「…。」





レノは驚きただ打たれた頬に手を添えることしか出来なかった。





レノの驚きは2つ。





1つはタークスエースである自分がたかが女の平手打ちも避けれなかったこと。




しかも女遊びが激しいレノは1日に1回は女の平手打ちを喰らうがその度避けていたという慣れたものだというのに…。





それ程までに純の平手打ち…反応と動きが早く、レノに避ける暇も与えなかったということだ。





そしてもう1つはたった今自分に向けられている殺気。





冗談でも無く本気で向けられている純の殺気はプロ並みのものだった。






レノが少し焦りを感じると同時にエレベーターの扉が開きソルジャーフロアへ着いたことを伝える。




そしてフッと引っ込められる純の殺気。





呆然とするレノを置き先にエレベーターから降りる純。





そんな純を見てレノはハッとし、ブリーフィングルームへ向かった。






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