Apatia

□F
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スタンッ





静かに屋上に飛び降りた2人はスッと立ち上がり戦闘体制に入る。




『ここからは時間と音との闘いです。』




セ「素早く無音で、だろ。分かっている。」




『……。』





純はセフィロスの返事を聞くと建物内に潜入した。





中には少人数のアバランチがウロウロしていた。





純はロングソードを抜くと一気にアバランチとの距離を縮めて一瞬で息の根を止めた。





セ「やるな。」




『……。』




純は一度セフィロスに目をやったが無視してそのまま前に進んで行く。









ザンッ!!!




ぐじゅっ



プシャァッ…




アバランチに呻き声を上げる時間すら与えず純は次々と斬り進んでいく。




1人残さずに……。
















ある程度進んでいくと1つの部屋が目に入った。……人質がいる部屋だ。




1つの階に一室というように人質を分けている。これも時間稼ぎの為か。





純は部屋の前にいた2人の見張りの男の首を素早く刎ね入室した。




そして中にいたのは2人の男女。




『助けにきました。静かに着いてきて下さい。』




純はそう無機質に言うとクルリと踵を返して次の4階を目指した。






それから4階、3階、2階と進んで行ったがどの部屋も男女2人のペアだった。






男2人だと逃げ出そうと思えるが男女だと女が足手纏いになりその気も起きない。……心理作戦だ。





このことから相手は馬鹿ではないことが分かった。







そのまま2人は1階のフロアの人質も助け、そして、足手纏いだったので人質を外に解放することにした。





セ「残るは地下1階か。」





『はい。』





純は機械的にそう答えるとズカズカと地下1階を目指した。







地下1階の通路には誰もいなくて“どうぞ来て下さい”と言っているのと同じだった。






お陰で2人は難なく最後の部屋へ辿り着いた。





最後の部屋の扉は分厚い鋼鉄の扉でできており純の手では開けることが出来なかった。





そこへセフィロスが笑いながら手を貸した。





セ「(フッ…あれ程の闘いをするが、やはり女か。)どけ、俺が開ける。」





セフィロスは純が両手を使っても開けることが出来なかった扉を悠々と片手で開けてみせた。






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