Apatia

□I
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ジェネシスが持ち出した兵器の破壊の任務を受けた日。





純が部屋にいると“アンジールも神羅を抜けた”…と言うより“消息を断った”と連絡が入った。






『……。』





純は何を考える訳でもなく、部屋を出て行った。










――…





純が着いたのは“セブンスヘブン”と言う名のバーに来ていた。






純は慣れたようにカウンター席に座ると




『いつものやつ下さい。』




と言った。




この言動から純が“セブンスヘブン”の常連客となっているのが伺える。





そして、純が言う“いつものやつ”とは“セブンスヘブン”でお金もアルコール度数も一番高いやつだ。






??「女が飲むものではないな。」





純が飲んでいると後ろから声が掛かった。





『…私が何を飲もうと貴方には関係ないでしょう。』





??「そうだな。」





そう言ったのはツォンだった。





ツォンは純の横に座り、同じように飲み始めた。






『……。』




ツ「……。」




2人の間には会話など無く、静かな時間が流れる。





ふと、その時間を破ったのはツォン。





ツ「レノを許してやってくれ。」




『……。』




ツ「あいつも悪気があった訳じゃないだろう。」





『……悪気があったら殺してますよ。』




ツ「レノは十分に反省していた…私からも頼む。」




『……元から怒ってませんので許すも何も無いです。』





純はツォンを“何だかんだで部下思い”と認識した。





純が最後の一口を飲むと氷がカラン…と音を発てた。





すると、バーのマスターが慣れた手付きで次の酒を用意する。







ツ「…純と飲むのは落ち着きがある。」




『…。』





純は急に変なことを口にするツォンを怪訝そうに見つめた。





ツ「以前レノと来た事があるが…あいつは落ち着きを知らん。」





『……一緒にしないで下さい。比べられるのも腹立たしいんですから。』




ツ「酷いな。」




ツォンは敢えて何が“酷い”かは口にしなかったが、純には伝わったようで“そうでも無いですよ”と答えが返ってきた。






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