妖怪と共に
□番外編
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次の日の朝はいつも通りの学校。
時刻が計画すれば、また夜になる。暗闇は妖怪の活発時間だ。
パトロールに出かけようと今日も家を抜け出そうしていた時だった。
雪女と露彦は何故か玄関で睨み合ってしまうことなる。その原因となることの発端は、清継くんの放課後の話による。
「君達は、最近ここ一体で子供や大人が無差別に襲われている事件を知っているかい?」
「妖怪って噂の奴か?」
黒板に書かれた文字を消しながらパソコンの前に座っている清継を見る。
「さすが露彦くん話が早い!その妖怪は突如現れては、約束とはなんぞやと言うらしい」
「へぇ、変わった妖怪だね。人間に話しかけるなんて」
「そうなんだよ!昔の妖怪にはいない変わっているんだ」
「昔にはいないのか」
あの会話の後の夜。
またパトロールに出発しようとしたところに雪女の登場。完全に見張られていたのはわかっていた。
パトロールを止められていないので、そのまま過ごそうとしていたのに無理だった。ついにその時はやって来たって感じだ。
「露彦くん」
「……なんだ」
目を泳がせて違う方向を見る。
睨んでいるのか視線が痛い気もする。
「今日は、私も着いて行きます!」
迫ってきた雪女に両手で近づかないように待ったをかける。
眉がつりあがっていて怒っているような。
「いきなりどうしたんだよ。そんなに真剣な顔をして」
「今日学校で言ってたでしょう。最近、人が無差別に襲われているって…」
「清継が言ってたね」
見かけは小さな少女、そして、あたりに散らばっている凶器となるもの。その原因をだいたいの目星をつけているから今夜中には解決したい問題だった。
今日動きだしたいというのに雪女が着いてくると…行動できない。
こっそりとしている陰陽師の仕事だと思っている露彦にとってはさらに。
「だ、か、ら、私がその妖怪を倒して平和にすのよ!」
パパーン
背後から光が溢れた錯覚が。
「…いや、幻覚だ…」
「何言っているのよ」
「こっちの話だ…着いてきたい気持ちはわかるが、陰陽師としとの仕事だと俺は思う」
「さぁ、行きましょう!」
「っておいぃぃぃい!!聞く耳少しは持てよ!リクオ以外の耳を持て!」
鼻歌を歌いながらさっさと歩いてしまった雪女に大きなため息を吐いた。そのままにしておく訳にはいかず、雪女を追いかけるのだった。
都合が悪いと聞く耳持たない雪女をどうにかしてくれ。俺にはいつもあんな感じだ。まともに話せる日はあるのだろうか。