短編4

□受愛思考
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きっと何をされても


すべてを受け入れ、許すだろう



それは好きだから


好きで好きで仕方ないから






だから





君が望むなら



























『受愛思考』






























目の前の瞳が、暗い光を放っている。


その瞳に見詰められると、頭がふわふわしてまともに思考が働かなくなる。



「スザク」


呼ぶ声。

それすら、思考を奪う1つとなる。



何も考えられない。

ただ従いそうになる。



目の前の。

「ルルーシュ…」

君に。





「おまえを抱くよ」




その君が呟いた言葉。

それと同時に伸ばされる手。



―捉えられる。




次に感じたのは、布団の柔らかな感触。

押し倒されたんだと気づいたのは、そのすぐ後だった。



「ル…ルーシュ…」


不安に思って見上げれば、合わさったのは暗い瞳。


そこには何も映し出されていない。
ただ、暗い闇。

それだけが見える。




昨日までは、こんな瞳をしていなかった。

いつもの、優しいルルーシュ。
いつもと変わらない朝だったのに。


何が原因で、こうなってしまったのだろうか。


スザクには答えが出せなかった。





「スザク…」

思考の途中、呼び声が聞こえた。

現実に戻る思考。
再び見えてくる暗い瞳。



暗い、獣のような…瞳。




「ぁ…」


その瞳に捕らわれれば、すべての思考が奪われそうになる。



でも、気になるのは。




「ど…して?」




何故、ルルーシュがこんなことをするのかということ。

そんなスザクの疑問に、ルルーシュは極上の笑みを浮かべる。


そして、スザクの耳元に緩やかに近づけて。





「おまえは俺のものだよ。」








獣は笑った。





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