短編4
□迷子の仔猫
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いつだって僕は、ご主人様が大好きなの
だからね、
だからね
『迷子の仔猫』
「トト…?」
最初に異変に気がついたのは、スザクだった。
いつものようにトトに会い来てみれば、肝心のトトの姿が見当たらない。
トトはこのクラブハウスに住む、アーサーと同じく生徒会公認の飼い猫だ。
そのトトの姿が見えないのだ。
「トト…、トト?」
スザクはトトの姿を求めて呼び続けるが、返事は返ってこない。
いつもなら、スザクがやってくるとすぐに傍へと来てくれるのに。
段々不安になってきて、スザクはトトが居そうな場所を片っ端から探していく。
ふかふかのソファ。
猫じゃらしがしまってある玩具箱。
あったかいベット。
餌が置いてある場所。
すべてトトがお気に入りとしている場所。
でも、それのどこをまわってもトトの姿は見当たらない。
「トト…、どこにいっちゃったの?」
スザクの中の不安はどんどんと広がっていく。
「どうした…?」
そんなとき、扉のほうから声がした。
振り返った先に居たのは、心配げにこちらを見ているルルーシュ。
その姿を見た途端、スザクは思わずルルーシュに駆け寄り、その胸に縋りついた。
そして、泣きそうな顔で必死にルルーシュに訴えかける。
「トトが、…っトトが居ないんだ!」
その言葉に、ルルーシュの目が見開かれた。