短編4
□花揺れる、平和の地で
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花咲く大地に、風が舞う
揺れる白い花
その花に囲まれた、貴方たちが眠る場所
『花揺れる、平和の地で』
「あのね、少しやりたいことがあるんだ。手伝ってくれる?」
それが、今日の始まりの言葉だった。
ルルーシュは「何をやりたいんだ?」とは聞かず、すぐに頷いた。
だって目の前のスザクは、どこか言いあぐねている様で、そこには曖昧な、悲しげなそんな想いが含まれていた。
だから、何か理由があるんだろうとすぐわかった。
どうしてもやりたいことなんだろうとすぐにわかった。
伊達に、幼馴染をやっていない。
「わかったよ。手伝おう」
目の見えない自分がどれほど役に立つかはわからないが、腕が不自由なスザクの助けになるのなら自分は何だってやるだろう。
ルルーシュは今だ曖昧に悲しげな雰囲気のスザクを促す。
「ありがとう、ルルーシュ」
そんなルルーシュの言葉に、スザクは漸く嬉しそうに微笑んだようだった。
悲しみを含まない、綺麗な笑顔。
それにルルーシュもほっと息を吐いた。
そして。
「さぁ、まず何をすればいい?」
スザクを悲しませる要素があるものなら、さっさと終わらせたほうがいい。
そう思って、ルルーシュはスザクを促した。
そんなルルーシュにスザクはもう一度「ありがとう」と呟きながら、続けて言葉を紡ぐ。
「あのね… 」
その続いた言葉にルルーシュは一度目を見開いたが、すぐにその目を伏せて静かに頷いた。
「あぁ、わかった。…やろう」
スザクはまた一つ、「ありがとう」と呟いた。