記念・特別編

□10万記念 コラボレーション作品 ─文化祭─カフェとラジオに○○○
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秋と聞かれて皆は何を思い浮かべる?
スポーツ、芸術、読書、食欲……他には月見とかもあるかもしれない。

俺は個人的に文化の秋だと思っている。まあ、日本って国は色んな文化がある国だしな。

その中には、アニメやマンガ、ゲームとかの部分もあるけど一番の理由は文化祭かな。
去年はなんかお化け屋敷をした覚えがあるような……。今年は集まったメンツもよく、苦手だった相手とも距離が縮まったりして夏休み明けぐらいから楽しみにしていたんだ。


それだから、あそこまではちゃめちゃな二日間になるなんて思ってなかったんだ。


―文化祭 カフェとラジオに○○○―

.
稲葉「―――――じゃ、今日の放送はここまでよ。メインパーソナリティは古川稲葉と」

禅「烏哭…禅で…お送り…しました。」



「お疲れ様優希くん、紅菜ちゃん」

「「お疲れ様です」」

夕方に個人ラジオの収録が終わり、パーソナリティズの四人で禅くんがよく行くと言うファミレスに来ていた。
パーソナリティズと言うのは、俺と紅菜、俺達の先輩にあたる古川稲葉さん、そして池袋西口のS.ウルフというチームのNo.10(といっても俺はそこら辺の事情は余り詳しくないんだが)の烏哭禅くんの事だ。

「そういえば、優希くん達は何をするの?」

ちょっとしたデザートを食べ終え休んでいると、稲葉さんが突然聞いてきた。

「えっと、なんの事ですか?」

「ほら、学園祭がもうそろそろじゃない?それで二人のクラスは何をするのかなと思って」

「そういう事ですか。私達のクラスは喫茶店……というかコスプレ喫茶です」

「あら、ちょうどいいんじゃない?いい素材が二人もいるのだし」

「あはは……」

何故か俺までカウントに入っているのは気のせいだろう。気のせいと信じたい。

「別に着るのもいいんですけど、その……何て言うか……」

「成る程、紅菜ちゃんは服を作ったり着たりするのは構わないけど、優希くん以外のクラスメイトには余り知られたくないのね?」

「………」

稲葉さんの言葉にコクリと頷く紅菜。

……うん、前から思ってたけどこうしおらしくなったときの紅菜って「可愛いよな」

「へっ……?ゆうき今なんて」

みるみる首筋まで朱くなっていく紅菜。
終いには俯いて足元を見ていしまっている。

「稲葉さん…これは…ちぇき……ですかね?」

「そうね、しかも優希くんにしては珍しい無自覚ちぇきよ」

「そういや、なんで稲葉さんは出し物の事を聞いてきたんですか?」

「ちょっとした確認よ。それで喫茶店って教室の中で何か作るの?それとも買い置き?」

「今のところ、男子じゃ俺と音瀬、宗谷ってのがそれなりに料理が出来るんで、隣のクラスに教室を借りてホールと厨房を分けて作ったものをメニューにしようって話なんですよ」

「やっぱり軽食がメインなのかしら?」

「そうですね、サンドイッチとかの軽食をメインにしてオムライスとか少しお腹が膨れるものとデザートで回して行こうって話で進んでますね」

「デザートは…やっぱり買い置き……ですか?」

禅くんはやっぱりデザートの話に食いついてきた。

「初めは買い置きが良いって話だったんだけど、いつの間にか手作りでやろうぜって空気になってて。やっぱり禅くんは何処かの店から買った方がいいと思う?」

「それ…優希さんも……作ってます?」

「えっ、まあクッキーとブラウニーだけなら作ることになったんだ」

「学園祭…当日は是非……是非呼んでください…っ!」

「おぉ……わかったけど、禅くんの口に合うかな?」

「それでも…俺は…優希さんが…作ったものを……食べてみたいです」

「よかったじゃない、一人お客さんが見つかって」

「あはは……、ありがとうございます。それで稲葉さんは何をするんですか?」

「知りたい?」

「えっ?」

「本当に知りたいのかしら?」

「そりゃまあ……知りたいです」

稲葉さんのクラスには知ってる人も多いので出来ればなにをしているのかは知りたかった。

「クスクス、残念だけど秘密よ。優希くん、シフト表が出来たら私にも貰えないかしら?」

「別に構いませんけど……」

「心配しなくても大丈夫よ、二人が揃ってる時間に悠を誘って乗り込むだけだから」

「それを大丈夫と言いませんよっ!」

「それじゃそろそろ出ましょうか。二人とも帰るの遅くなっちゃうわよ」

聞いてないし……

「それじゃ行こうか、ゆ……千歳」

「ん、ああ。そだな」

禅くんはまだファミレスに残るらしく、各々注文した物の代金を禅くんに渡してその日は解散した。
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