現代入り小説(長編)
□第三・五話
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ある日の紅魔館。
「パチェ、パチェー?いないのかー?」
彼女の書斎でもある紅魔館地下の大図書館。そこに彼女の姿はなかった。
「まったく……後でお茶しようと誘っていたのに」
しかし、あまりにも静か過ぎる気がする。
普段なら小悪魔がいても構わない……あら?
「小悪魔はいないの?」
返事はない。もしかしたら、この静寂こそが返事かもしれない。
そう思ったのだけれど…
「レミリアお嬢様ぁぁぁーー!!」
黒い影が私にむかって突進してきた。
それを受け止め、抱き着いてきた女性に問い掛ける。
「どうかしたの、小悪魔?」
「パチュリー様が、パチュリー様が……」
「パチェがどうかしたの?」
「パチュリー様が行方不明なんです!!」
そう告げる小悪魔の目尻には、涙が溜まっていた。
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