現代入り小説(長編) 

□第四話
1ページ/7ページ

あっ、もしもし?優希か?
ちょっと困ったことになってな……。お前の家、部屋空いてるか?
うん……うん……二人入れれば十分だ。
何があったかって?話すと長くなるし、俺自身混乱してよくわからなくなってるんだ。
ああ、そっちに着いたら話す。


第四話 来訪者、再び




夏休みに入ってから一週間近くが経った。
この一週間、色々あった。
パチュリーは海に行ったことが無いと言うし、紅菜は時々服……というより衣装を持って家に来る。

本好きというので、パチュリーを図書館に連れて行ったら、三〜四時間本を読んでいた。……図書館に行く前に、夢幻堂に行かなくてよかった……。

大体は家にいるけど、買い物やちょっと出かける時にはついて来る。そんな日々が続いていた。

七月が終わり、今は八月の二日。夏休みも中盤に入った。

そんな時だった、光から電話がかかってきたのは。

「はい、もしもし?千歳ですが」

あっ、そうそう。一応、俺と紅菜でこっちの文化や電化製品等の知識はパチュリーに教えてある。

「なんだ、光か。どうしたんだよ、急に電話なんて」

なんだかえらく焦った様子の光。ここまで慌てるのも珍しいな。

「あ?部屋が空いてるかって?今使用中。本の部屋ならかろうじて二人入れるぐらいだけど」

二人入れる部屋が必要とは……天原さんも来るのか?

「なぁ、一体何があったんだ?」

慌てていて自分でも頭が整理してないらしく、こっちに来たら絶対話す。とのこと。
それだけ言うと、光は電話を切ってしまった。

「…………一体なんなんだ?」

「どうかしたの?」

「いや、友達が何だか焦った様子で家に来るって……」

「?普通のことじゃない」

「そうなんだけどな……」





.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ