書架の魔女の現代入り 〜urban legend Witch
□一話 『夏休みの夜』
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BGM 外界フォークロア(原曲)
『都市伝説』とは、近代あるいは現代に広がったとみられる口承の一種である。大辞林 第二版には「口承される噂話のうち、現代発祥のもので、根拠が曖昧・不明であるもの」と解説されている。(Wikipediaより引用)
「やっぱり根拠がわからない噂ってとこだよなぁ……」
都市伝説と言われて直ぐに浮かぶのは『メリーさんの電話』や『学校の七不思議』とかだろうか。古いものでは『口裂け女』や『神隠し』も都市伝説だろうか。
流し読みだが検索結果をスクロールしながら確認していたら、最近ではネット掲示板から発祥した都市伝説も多いと言う。
『八尺様』『テンソウメツ』『きさらぎ駅』『猿夢』『猿の手』『くねくね』等々。
もはや都市伝説と言うよりは怖い話のテンプレートになりつつあるものもある。
「異世界に関連する都市伝説……『飽きた』、『異世界に繋がるエレベーター』……多分違うな」
そもそも、幻想郷は聞く限りでは結界で隔てられた地続きの世界だろう。だから異世界っていうのとは違うのかもしれない。
それこそ平行世界……いやそれも違うか。
いま生きている世界と地続きの決して重ならない世界……。
ただ、彼女が現れたときのことを考えると、そう言ったことに関係なく幻想郷から外に弾き出されたみたいな形でこちら側に来てしまったのだろう。
「これは難解だ……」
ちらりと時計を見るともうすぐ一時になろうとしていた。
流石に朝から学校に行くことを加味するとそろそろ寝た方がよさそうだ。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
翌朝。
寝過ぎることもなく、普段通りの時間に起き朝食と学校へ行く準備をする。
そう都合よく会えるかはわからないが。
一人で朝食を取り、そろそろ家を出ようとしたときだった。
「待って!私も連れていって貰える?」
貸している部屋から飛び出してきたパチュリーは俺を見つけるや否やそう言いながら詰め寄ってきた。
「どうしたんだ藪から棒に……いや、連れていくのは構わないんだけど、校内に入れるかは」
「どうしたもこうしたもないわ。服装が問題なら昨日みたいに着ていない服を貸してくれればいいから。理由もなんかそれらしいことを並べて乗りきって。
というよりも、どうにか聞けたのよ!都市伝説異変について何か知っている人の名前が」
捲し立てるように喋る彼女の口から出た名前はーーー
「そいつの名前は宇佐美菫子。外の世界の学生だって話よ」
偶然にもこれから頼ろうとしていた後輩の名前と同じだった。
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