書架の魔女の現代入り 〜urban legend Witch
□幕間@
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BGM 萃夢想(原曲)
戻ってきた。いや戻って来てしまった。
室内とはいえ少しだけ暑さの残る空気。
それが肌にまとわりついて少々不快感が勝る。
ただ、部屋に取り付けられた機械により適温に調整はされているようだ。
「宇佐見……菫子……外の世界の学生」
先程までいた世界での事を反芻する。
夢を見てる間だけ境界を越える?そんなことが……いや可能なのだろう。それだからあの少女は幻想郷に来訪しているし、自分も眠っている間だけあちらに戻っているのだろう。
「なんとも頭が痛くなる話ね……というか八雲紫はこの事態を……」
知っているならば既に対処しているだろう。地底での出来事の時は私から相談をしたとはいえ、巫女を動かしてくれたみたいだし。
恐らくだけど、この状況は全くのイレギュラー。
スキマ妖怪も把握してはいない。今の状況を話して信じてくれるのは恐らく……。
「宇佐見菫子だけよねぇ……」
名前も容姿もわかるが外の世界というのは思っていたよりも広く、その中から一人の人間を見つけるなんてどれだけの時間がかかるのだろう。
「そもそも、学校に調べに行くなんて……あっ」
そういえば一人、ツテがあった。
ちらりと部屋の時計に視線をやる。
ーーこの時間ならまだ大丈夫ーー
そう思ったのと同時ぐらいに食器がぶつかる音が微かに聞こえた。
彼が朝食を取り終えたのだろう。もう時間がない。
急いで部屋を出たときにはもう家を出ようとしている所だった。
「待って!私も連れていって貰える?」
急いで呼び止める。このまま彼が向かうであろう場所に一緒につれていって貰うつもりだ
「どうしたんだ藪から棒に……いや、連れていくのは構わないんだけど、校内に入れるかは」
「どうしたもこうしたもないわ。服装が問題なら昨日みたいに着ていない服を貸してくれればいいから。理由もなんかそれらしいことを並べて乗りきって。
というよりも、どうにか聞けたのよ!都市伝説異変についてなにか知っている人の名前が」
少し戸惑う彼に少し苛立ちを覚えつつも急な提案をした理由を伝える。
本当は名前どころか会って話もしているが、今の私にはこちらでも実際に会って話をしないといけない。
「そいつの名前は宇佐美菫子。外の世界の学生だって話よ」
その名前を聞いたときの彼の表情は驚きと信じられないという顔だった
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