幻想郷入り小説

□第四話 b
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何よ、あれ……。種族、魔法使いじゃない彼が扱えるような魔法じゃないわよ?多分、私やアリス、白蓮にも扱えるモノじゃない……。
貴方は一体……何者なの?

ユウキ・アトモスフィア……。

指輪と柱 〜悪魔召喚師


「ホラホラぁ!!反撃してみなさいよぉ!!杖が無くなったらまともに魔法も使えないの!?」

防戦一方。それが今の状況を的確に表した言葉だろう。
あの杖の魔力を増幅させる程度の能力に助けられていたのだろう。魔力の消耗が全く違う。
今の状態で先程の出力の赤の式を使ったら一発で魔力を使い切ってしまうな。

「ッ!!青の式を展開!防護陣・氷壁ィ!!」

「甘いわよぉッ!」

簡略化した魔法ではリナージの攻撃を抑える事は出来ない。
今顕れた氷壁も一撃で砕け、そして

「これで終わりねぇ、呆気なくてつまらないわぁ……」

リナージの獲物が俺の躯を――――貫かなかった。

「全く……何で本気を出さないのよぉ。貴方はそんなちっぽけな魔術を使わなかったでしょ?」

余裕か慢心からか、勝ちを確信しての行動だろう。

「生憎、こっちの方が性にあってるんでな。それに、ちっぽけな方が何かと便利なもんだぜ?」

チャンスは今しかないな。
懐から一枚のカードを取り出し、宣言する。狙うはリナージの足元!

「蒼符『アクアマリンの輝き』!」

まさか、こんな所で使うとは思ってなかったがしょうがない。

足元に向かって放たれた弾は床にぶつかり、二つに分かれた。

「何よ、大した事無いし見当違いの所に飛んでってるわよぉ?」

「それはどうかな?青の式、氷壁!黄の式、土壁!」
右側からは氷の、左側からは土の壁が顕れ、それがスペルの弾を逃がさないよう混ざり合いながらリナージを中心に半球形の壁が出来上がった。

「それくらいで倒せるとでも…………えっ?」

あの弾の本質に気付いたのか、はたまた壁に当たる度に殖えていく弾に驚いたのかどちらかは知らないが、奴の素っ頓狂な声が聞こえた。


スペルが消えるまでの間に最後の準備をしますか。

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