幻想郷入り小説
□第六話b
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本物と偽物 〜真偽の果て
駆け足で飛び立って行った魔理沙・伴也チームと、追いつこうとするそぶりも見せずに飛んでいく霊夢・咲夜チーム。
「……いいのか、咲夜を行かせて?」
「いいのよ。私のメイドなんだから、これくらいの異変はぱぱっと片付けて来るわ」
まあ、レミリアがこういうのだから大丈夫なんだろう。
「それより、早く戻って小悪魔の手伝いしてあげたら?あの子、貴方が手伝い……後輩になってから毎日上機嫌なのよ」
「そうなのか?」
「そっ。だから早く戻って、貯まってる仕事を片付けてお茶でもしてなさい」
そうだな。咲夜に呼ばれて来る前にほとんど終わらせたから、あとはたいして時間もかからないだろう。
「では、そうさせてもらうよ。あの四人の内の誰かが戻ってきたら呼んでくれ」
「その時は貴方が私を呼びに来るのよ」
「そうだったな、お嬢様」
「貴方ねぇ……まっ、いいわ。ほら、早くしないとご主人様が退屈するわよ」
手払いをされて地下図書館に歩を進める。
戻る途中にいたメイド妖精に、ゆっくりでいいから紅茶を淹れて図書館まで持って来るように頼んでおいた。これで仕事が終わる頃には喉の渇きを潤せる……はずだ。
「……そういえば、代わりの杖を調達しなくちゃな」
リナージとの戦闘で砕けてしまった銀の杖。あれと同じものは見つからないだろうが、術者にあう物を使って木でもいいから魔力のサポートをしてくれる魔法具が欲しいな。
「それは給与が出てから考えるとするか」
そんなことを考えているうちに図書館の扉の前にたどり着いていた。
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