現代入り小説(長編)
□第六話
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まぁ、何だ……昔から怪談噺とか、そういう話をしていると集まって来るって話は聞いた事はある。
何が集まって来るのかって?
まぁ、いろいろだよ。うん。
第六話 現の怪談妖怪
海に行った翌日――
「やべぇ……もう朝だよ」
少し頑張って課題をやっていたら、なんだかいつもよりスムーズに進んで気が付いたら朝になっていた。
学生なら一度は体験するんじゃない?
「せめて、二時間は眠りたかった……」
カーテンを開け呟くが、そうしても時間は戻らない。今日一日は眠気と戦うことになりそうだ。
そのまま窓も開けて、空気の入れ換えもした。早朝と言えど少し熱気は残っているみたいで快適とは言い難い。
大きく伸びをするとコンコン、と控えめにノックする音が聞こえた。
「入っていいかしら?」
「ん…パチュリーか。入っていいよ」
返事を聞いて、ゆっくりとドアが開く。そして、あの暑苦しい服を着たパチュリーが入ってきた。
「………その服暑くないのか?」
「暑いわよ。……でも私にとっての線引きだから」
「夜と朝のか?」
「それもそうだけど…読書中かそうでないか、かしらね」
「となると…今から読むのか」
「いいえ、今し方読み終わったのよ」
そう告げるパチュリーは目を擦りながら欠伸をする。
彼女らしいというか…
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