記念・特別編
□10万記念 コラボレーション作品 ─文化祭─カフェとラジオに○○○
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「さて、喫茶店のシフトが出来たわけだが……」
初日は厨房、フリー、ホール。
二日目はフリーが二コマ(始まりから三時まで)と厨房ホールのサポートと言う、二日目は長く遊べるような組み合わせになっていた。
これなら稲葉さんのクラスにも顔出せるし、紅菜とも見て回れるから文句の付けようがない。
となると、後は当日までに出し物の方を完成させないといけないんだよな。
「なあ、食材って明のバイト先から貰えたんだよな?」
「ああ、学祭で宣伝するって話したら快く承諾してもらえたぜ。ついでにレシピもいくつか貰った」
「宣伝って……どうやるんだよ?」
「そこはほら、メニューとかに提供といれて、な」
「それなら行けるか……?紅菜ー、メニューの方まだ手直しできるかー?」
「今ならまだ大丈夫ー。あっ、千友利ー飾り付けの方人数足りてるー?」
「平気だよー、さっき知歌ちゃんも手伝いに来てくれて五人で作ってるー」
「なー、隣の教室の使用許可取れたのか?できりゃガスコンロやオーブン置きたいんだけど……」
現在木曜日、文化祭がこの土日に待ち構えているので最後の追い込みというところだ。
「そっちは委員長が指揮してると思うから、委員長に聞いてくれないか?」
「千歳ー、柏野ー、先輩が二人の事呼んでるぞー」
喫茶店の内装やメニュー、厨房の道具等の色々な準備を俺とウチのクラスの委員長とで指揮していると、入口付近で仕事をしている奴からそんな言葉が飛んできた。
「サンキュー、委員ちょーちょっと呼ばれたんで、抜けますねー」
「二人とも凄く張り切ってるのね」
予想通りというか、やっぱり俺達を呼び出したのは稲葉さんだった。
「千歳が勝手に突っ走ってるだけです」
とか言いつつ、紅菜も乗り気だったじゃないか。
「それでも、そんな風に先陣を切れる人がいるからクラスの皆も着いて来てくれるんじゃないかしら?」
「いや、馬鹿が先頭でふざけてるからそれに便乗してるんだと思いますけど」
「随分ひどい言い方だな!」
「本当のことでしょ?まあ、統率力があるのは認めるけど……」
「それで、シフト表ってもうあるのかしら?」
「はい、さっき全員に渡されました」
予備として貰った物を稲葉さんに手渡す。
するとしばらくシフト表を眺めてから、こう呟いた。
「なるほど、優希くんは初日に私や優日の所に顔を出して、二日目に紅菜ちゃんとにゃんにゃん……もといいちいちしながら学祭を楽しもうとしていたのね?」
「なんでそれ見ただけでそこまで分かるんですかっ!?」
時々心読まれたとか思うけど、思考すら読んでるのか?
「クスクス、どっちかしらね」
……考えるのはよそう、なんか色々とまずそうだ。
「それじゃあ優希くんの空いてる時間を借りて、私の……じゃなかった。私たちの出し物を手伝ってもらおうかしら?」
「ちなみに何をするおつもりで?」
「それは当日のお楽しみよ。大丈夫、出来ることしかしないから」
それはそれで怖いのですが……
「それじゃあ、当日はよろしくね」
伝えることをつたえて、稲葉さんは三年の教室の方へと行ってしまった。
「俺まだ答えてないんだけど……」
「まぁ、あれね。ドンマイって事で」