記念・特別編

□10万記念 コラボレーション作品 ─文化祭─カフェとラジオに○○○
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放課後、今日の内に飾り付けは終わり、残りはテーブルクロスや衣装、宣伝用のポップやチラシ作りとなった。
そこで、こうなったらもう学校に泊まって金曜日までに終わらせね?とクラスの誰かが提案したらしく、現在クラスの一部が布やら生地やらを買い出しに出ている。
そんな中俺はラスタ・ラヴという時々顔を出すようになったバーの入口で人を待っていた。
別に呼んだわけでも無いんだが、彼ならここに来るんじゃないか?と思いしばらく待っていたが正解だったみたいだ。

「おっ、優希ちんじゃないか。ちぇき〜」

俺が待っていたのは小鳥遊悠。巷じゃ腕利きのトラブルシューターとして有名らしい。かくいう俺も一度だけ、その仕事に同行したことがある。

「ちぇき。なあ悠、この土日暇かな?」

「ん?別に用事らしき用事は無いが……まさかデートのお誘いか!?いやいや、待ってくれ、俺には嫁が……」

「そうじゃねーって!土日に学園祭があるからさ、悠はくるのかなーって」

「あー、そういや稲葉もそんな話してたな。それで優希ちんはどんな事するんだ?」

「喫茶店だよ」

「喫茶店ねぇ……立ち話も何だし、ラスタで少し話してかないか?ちょっとだけならアドバイスも出来るぞ」

「いや、さすがに制服じゃまずいって。それにこの後も学校に戻るし」

「えっ?もう下校時間じゃ無いのか?」

「クラスの誰か知らないけど、あと少しだし学校に泊まりがけで残った作業やろうと言い出したみたいなんだ」

「ほむ……間違えた。ふむ」

「まだ引っ張るのかそのネタ……」

「つまりは優希ちんは買い出しか何かでここらに来て、俺を待ってたと」

「まあ、そうなるな」

「連絡入れてくれれば学校まで顔出したのによー」

「あのさ、悠は携帯電話持ってるか?」

「ああ、そりゃあ持ってるさ」

「今出してくれないかな?」

「……家にな」

一度携帯電話の携帯の意味を辞書で調べてもらいたい……。

「悠が携帯不携帯なのは知ってるから、連絡入れるよりもここに居た方が会える気がしたんだ」

「そりゃ正しいな。それで、ただの喫茶店じゃないんだろ?」

「何の事?」

「だってよー、優希ちんに紅菜ちゃんがいるんだろ?だったら普通の喫茶店で終わる訳無いじゃないか」

「本当に悠は冴えてるよな……その通り。普通の喫茶店でなくコスプレ喫茶ですよ」

「成る程……じゃあ紅菜ちゃんと他の女子は買い出し。優希ちんや他の男勢は暇を持て余し、泊まりがけなのでちょっとした物を買い出しに出てるって感じか?」

「大正解。つっても俺は本当に暇なんだけどな」

「だからってバーにたむろしようとするとは、随分不良になっちゃって」

「ははっ、悠のが感染ったのかな?」

「ばんなそかな!?俺みたいな善良で模範的な生徒はいないぜ?」

「反面教師って意味じゃ模範的かもね」

「おーおー、優希ちんも言うようになったなぁ」

そんな感じでラスタの前で悠と話し込んでいると俺の携帯が鳴り出した。

「どうした?紅菜ちゃんからのちぇきなメールでもきたのか」

「いや、外に出てるなら何か買ってきてと。校内に泊まる許可もでたらしいから、惣菜パンでも買って学校に戻るよ」

「そうか……それじゃあ優希ちんのコスプレ楽しみにしてるぜ!?」

それだけ残して悠は池袋の街に溶け込んでいった。っつか、そう力強く言われても着るかわからないわけだし……

「いや、覚悟しといた方がいいかな?」
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