現代入り小説(長編)
□第五話
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そんな話があったのが三日前。
てなわけで、俺らは海に来ていた。
「ほー、これが海かー」
「随分混んでますね……」
とどちらかと言えば能動的な二人。
「暑い……」
と受動的な方一名
「せっかく来たんだから、もうちょい楽しめよな…」
「ほら、皆。こっちこっち!」
紅菜は地元から離れているからか、常に解放状態だ。
「そして、荷物持ちに俺か……」
誰に言うでもなく、独り毒づく。砂浜では既に能動的な方々が場所取りをしていた。
「ほれ、そろそろ行こうぜ。パチュリーも自分が持てるだけ荷物持ってくれよ?」
「うん」
頷いて、パチュリーは敷物を入れたバッグを肩にかけて歩きだした。
「待て待て待て待て」
「何?」
「少なすぎだろ!?せめてあとひとつは何か持てよ」
これだと二往復は確定するんだが……
「嫌よ。重いから」
そういうとさっさと歩いて行ってしまう。
「って、誰か荷物見といてくれないと動くに動けないんだがな……」
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